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目標設定と成功するためのタイムマネジメント「時間管理」について

情シス
熱海 徹 氏
この記事の内容
1. 目標達成のために必要なこととは?
2. メモをとる習慣や、イメージを具体的に持つことが目標設定に役立つ
3. 目標設定の際には「ゴールの先のゴール」まで考えたい
4. 目標に向けた行動は、達成から逆算して何をすべきかを考える
5. まとめ

1. 目標達成のために必要なこととは?

2022年がスタートして、1か月が過ぎた。みなさん、自分の目標に向けて活動を始めていると思う。しかし理由をつけて先延ばしにしてはいないだろうか。「明日から頑張ろう」ではなく、今できることが必ずある。目標達成は、小さな成果を積み上げていく地味な作業である。頑張って欲しい。

今日は、「目標の作り方から効果的な進め方」についてお話ししたい。この方法を使って評価が上がり、よい成果につながったことを覚えている。是非、最後まで読んで欲しい。

2. メモをとる習慣や、イメージを具体的に持つことが目標設定に役立つ

目標設定で大切なことは、何気ない普段の仕事の中で気が付くものを、忘れないうちに記録に残しておくことである。また、1年間で実現できるかの見極めも大切で、かなりの努力が伴うものは未完成に終わるかもしれないので考え直した方がいい。普段からメモをとり、記録に残す癖をつけ、たくさんのネタを準備するところから始まるのである。

話は少し脱線するが、僕の最近の仕事スタイルは、会社のパソコンと個人のパソコン、iPadなどを使った在宅勤務スタイルである。しかし、どこで仕事をしていてもノートと筆記用具をいつもそばに置いている。

【写真-1、2】は、ほんの一部だが、B5サイズのノートがお気に入りだ。いたずら書きのように自由に書いているが、気が付いたことを書き留めている。ノートは、情シスに関するものが多く、このコラムが書けるのもノートのお陰である。絵具と色鉛筆は「大人買い」で揃えたものだ。イメージを絵で表現することが多く、色を付けると印象が変わるからだ。僕の特技と言っていいだろう(自画自賛)。

メモをとる習慣や、イメージを具体的に持つことが目標設定に役立つ 【写真-1】B5ノート ほんの一部
メモをとる習慣や、イメージを具体的に持つことが目標設定に役立つ 【写真-2】筆記用具 大人買い?

趣味の話をすると、昨年の春に夏のジャケットを絵で描いて、その通り作ってもらえないか試してみた。結構、無茶ぶりなのはわかっていたが、テーラーさんに相談してみた【写真-3】。意外に生地を決めるときに自分の意思が伝わり、「なんとなくこんな感じ」ではなく、「イメージ通り」のジャケットが完成した【写真-4】。生地の色は「ナポリブルー」。興味がある方は別途連絡して欲しい(笑)。

メモをとる習慣や、イメージを具体的に持つことが目標設定に役立つ 【写真-3】自分で着たいイメージを描いてみた
メモをとる習慣や、イメージを具体的に持つことが目標設定に役立つ 【写真4】完成したジャケット 自撮り

情シスでは、業務改善に向けた設計図のようなものを作っていた。キャラクターは自分である。当時(37年前)この提案が採用され、「わかりやすい提案書」と言われた。絵を描くのは好きだったのでこんな絵がたくさんある【写真-5】。

情シスでは紙とハンコを使うのが常識だったが、無駄な作業を改善したく、改善案を漫画で描いてみたら意外に自分の意思を伝えることができた。今だったら PowerPoint で簡単にできそうだが、手書きもなかなかいいものだ。

メモをとる習慣や、イメージを具体的に持つことが目標設定に役立つ
メモをとる習慣や、イメージを具体的に持つことが目標設定に役立つ
【写真-5】全体の書類「紙」の量を減らす改善案

3. 目標設定の際には「ゴールの先のゴール」まで考えたい

時間が経つのが早く、新年の挨拶をしていたと思ったら2月になってしまった。1月~3月は早く過ぎるので気を付けたい。新年を迎えたとき、個人の目標は立てたかもしれないが、会社の目標がまだ決まっていない方もいると思う。新年度を迎える前には目標を決めたいが、つい先延ばしになってはいないだろうか。少しでもいいので着手してみて欲しい。

目標を達成した際に、その評価を行うのは直属の上司と人事の担当者になる。そもそも個人で設定した目標がどの程度の難易度なのかわからない。目標を設定するときに上司に相談して決めてもいい。この部分をしっかり対応できているかどうかで全く変わってくる。正直、毎年の目標のネタがなく、内容が似通ったものが多くなっていた。

【写真-6】は、目標作成時に使っていたメモだ。このメモは約15年前に書いたものだが、毎年このメモを読み返して作成していたことを覚えている。自分のできることはそれほど変わらないが、職場の異動で内容が変わることが多かったため、このようなメモ(バイブル)を作り取り組んでいた。もちろん情シスにいるときもこのやり方で目標設定をしていた。

目標設定の際には「ゴールの先のゴール」まで考えたい【写真-6 目標作成時に使っていたメモ】

目標の設定で注意したいところは、「ゴールの先にゴールがある」ということだ。少しわかりにくいかもしれないが、これは、自分が決めたゴールによって、より多くのメリットが生まれなければならないということとも言える。さらに、設定したスケジュールでゴールできたとしても、その後に起きる効果 ──経営計画や部署目標につながるものであること── についても見える形にしておくべきだろう。実は、この部分は会社の他部署を巻き込む形になり相乗効果を狙ったからくりになっている。かなり高度な話のように聞こえるが、このノートに書いてある通りに、自問自答してみればいいのである。

実際、できそうもない目標にチャレンジすることも魅力的ではあるが、できなかった場合の採点は低い。チャレンジする意気込みは認めてもらえるが、努力レベルで終わらせてはいけない。例えばAを達成させるためには、途中でクリアしないといけないBやCという部分があるとする。このBやCの部分のクリアに時間がかかって、期間中に間に合わず「未完」で終わったケースだ。僕はこのパターンが多かった!

取り組んで欲しいパターンは、目標達成の後に生まれる効果と将来に向けた取り組みについて考えることだ。効果は経営方針にリンクしたものが理想だが、自分なりに考えるものがベストだ。単純に考えると、目標設定は会社に対しての約束なのである。

僕が目標で成功した事例では、デジタル技術を使った開発業務が多かった。特に、地上デジタル放送を推進するイベント企画では、整備の一環で携帯電話を使ったワンセグ放送のデモコンテンツを開発したときである。公開デモを使っていかに視聴者に理解してもらうかをテーマに考えたものだ。この目標のためには、技術だけでなく総務とか広報部署を巻き込む事業になり、その年でなければできないイベントだった。恐らく自分の目標と同じ方向で進んでいた職員も多く、総力で取り組んで成功したことが高評価につながったのである。

4. 目標に向けた行動は、達成から逆算して何をすべきかを考える

目標は作れても、なかなか実現できないことはないだろうか。そもそも目標のレベルが高い場合があるが、それ以外に、目標を実現させるための時間管理(タイムマネジメント)が間違っている可能性がある。新しいものへの挑戦を目標と設定する場合もあるので、中長期の計画になるものもある。このようなときでも、自分の考える時間軸が会社の経営方針と合っているか気にしなくてはいけない。

目標達成までの時間軸を考える際にも、実は、普段から書いているメモが生きるのである。何か気になることがあった場合、誰がどのように関係しているのか、どの部署が関係しているのかを記録しておくと役に立つ。

目標に向けた行動は、達成から逆算して何をすべきかを考える必要がある。目標達成のために何をすればいいかをデザインしてみることだ。僕の場合、デザインを絵で表現することが好きだったため、ノートが欠かせなかったわけだ。デザインは設計図であるので、箇条書きでもいい。どんなやり方でもいいので書き留める癖をつけて欲しい。

さて、目標が実現できない理由について、もう少し掘り下げてみよう。仕事において「成果を上げること」は基本だが、「自分自身の仕事をコントロールする」ことが重要だ。言い換えると、どんなに頑張っても就業時間という範囲があり、その時間の中で何ができるかをコントロールすることである。目標が実現できない理由の1つとして、仕事をコントロールすることができていないのに気が付いていないことが挙げられる。

時間の作り方であるが、「処理能力の向上」が実現できれば、以前よりも使うことのできる時間が増えるはず。目の前の仕事を「こなす」、「処理する」だけでなく、いかにして自分自身の仕事領域を作れるかにある。そのために経験していた2つのことを具体的に紹介する。

【1】現状の仕事の洗い出しをしてみる
まず、自身が普段どんな仕事を行っているかを洗い出す。仕事の洗い出しの目的は、自分が日々「どんな仕事」に「どれだけ時間を使っているのか」を把握すること。忙しい日々を過ごしていると、意外に自分が行っている仕事を把握できていない。メモでいいので、仕事の洗い出しを一度やって欲しい。できれば仕事のフローも書き出してみると、どの時間を自分の目標の時間に費やせるかがわかってくる。
【2】重要度の見える化をする
自分の仕事において「本当は何に一番時間をかけるべきなのか」、反対に「自分が時間をかけるべきではない仕事は何か」を明確にしてみる。意外に自分自身の仕事の中でも「成果につながる仕事」と「そうではない仕事」があることが見えてくる。そこで、全て1人でやるのではなく、誰かに「任せる」という段取りを考える。

ここでのポイントは、この先、自分が仕事の成果を大きくするために、何をするべきかという観点である。対処ではなく改善・改革へつながる仕事への取り組みと、それらに関する知識・スキルを身につけることに時間を充てることが必須である。実は意外に「自分磨き」を優先的にすることで、今の仕事をより高いレベルで行うことができるようになったりする。それが「成果を上げる」最終的な目的を達成することにつながった記憶がある。

自分磨きが優先と言ったが、目標が達成できたときは自分のスキルも上がっていて、どちらが先かは問題でなく、同時に成果が出ると思っていい。特に情シスの現場では、資格取得について意識していた。毎年チャレンジできるが、なかなか計画通りにはいかない。あきらめるのも自分で決められるが、取得できるとき(チャンス)に是非結果を出すべきである。

まとめ

目標を設定し達成させることは会社の成果であるが、自分が成長するためのきっかけになるととらえ、自分磨きをして欲しい。時間管理(タイムマネジメント)の目的は、仕事の生産性を向上させ、最終的に「成果を上げること」である。そのためには、日々の仕事の「見える化」から始める。さらに重要度の低い仕事は「捨てる」「任せる」「効率化する」ことも重要。そして今の仕事を行うために必要なことに時間を使えれば、仕事の生産性が向上し、成果を上げられるようになっていくのだ。

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熱海 徹(あつみ とおる)氏

■著者紹介■

熱海 徹(あつみ とおる) 氏
1959年7月23日、仙台市生まれ、東京都在住

40年近く日本放送協会 NHK に籍を置き、一貫して技術畑を歩んできた。転勤の数は少ないが、渡り歩いた部署数は軽く10を超えている。その中でも情シス勤務が NHK 人生を決めたと言っても過言ではない。入局当時は、放送マンとして番組を作るカメラマンや音声ミキサーに憧れていたが、やはり会社というのは個人の性格をよく見ていたんだと、40数年たった現在理解できるものである。20代の時に情シス勤務をしたが、その後に放送基幹システム更新、放送スタジオ整備、放送会館整備、地上デジタル整備等、技術管理に関する仕事を幅広くかかわることができた。今まで様々な仕事を通じてNHK内の人脈が自分としては最後の職場(情シス)で役に立ったのである。考えてみたら35年は経過しているので当たり前かもしれない。2016年7月には自ら志願して、一般社団法人 ICT-ISAC に事務局に出向し、通信と放送の融合の時代に適応する情報共有体制構築を目標に、放送・通信業界全体のセキュリティ体制整備を行った。ここでも今までの経験で人脈を作ることに全く抵抗がなかったため、充実した2年間になった。私の得意なところは、人脈を作るテクニックを持っているのではなく、無意識に出来ることと、常に直感を大切にしているところである。

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