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【イベントレポート】1-最新テクノロジーで働き方のデジタル化を加速し、DX を進めよう!

情報システム部門
イベントレポート

2022年11月7日〜11月20日にかけて「ハイブリッドワーク祭(フェス) 2022 〜 Microsoft 365 ではじめるDX〜」が開催されました。この記事では、本イベントの概要及びキーノート講演内容の一部を紹介します。

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この記事の内容
はじめに…ハイブリッドワークにおける「Microsoft 365 の利活用」をテーマに開催
【キーノート】最新テクノロジーで働き方のデジタル化を加速し、DX を進めよう!
2020→2022では何が変化したのか?
在宅勤務とオフィス勤務「どちらかを選ぶ」のではない
「分断されていない」ことが重要
“新時代”の働き方改革…従業員エクスペリエンス向上へ
近い将来、「働く場所」はどこにあるのか?
まとめ

はじめに…ハイブリッドワークにおける「Microsoft 365 の利活用」をテーマに開催

2020年以降、オフィスワークとリモートワークを組み合わせた柔軟な働き方「ハイブリッドワーク」が注目されるようになりました。このハイブリッドワークを効果的に実現するためには、企業のDX推進も必要と考えられています。

本イベントではハイブリッドワーク環境での「Microsoft 365 の利活用」をテーマにオンラインで30セッションを2週間にわたり配信しました。Microsoft 365 を使うことで得られる成果や事例紹介、ノウハウや活用のコツなど幅広いセッションが提供され、多くの中堅・中小企業にとって役立つ内容が配信されました。

本記事ではその中から、働き方改革における最新テクノロジーの活用や今後のあり方を考えるためにも、日本マイクロソフト株式会社 西脇 資哲 氏によるキーノート講演「最新テクノロジーで働き方のデジタル化を加速し、DX を進めよう!」について紹介します。

【キーノート】最新テクノロジーで働き方のデジタル化を加速し、DX を進めよう!

キーノート:最新テクノロジーで働き方のデジタル化を加速し、DX を進めよう!
最新テクノロジーで働き方のデジタル化を加速し、DX を進めよう!
西脇 資哲 氏 日本マイクロソフト株式会社 コーポレート戦略統括本部 業務執行役員・エバンジェリスト

日本マイクロソフト株式会社 西脇氏のセッションでは、ハイブリッドワーク化の推進により働き方の選択肢が増える現在、その最新テクノロジーの動向、働き方企画の動向、DX 推進を担うアプリケーション開発の動向などについて紹介がありました。そして、最新テクノロジーの活用により、従業員の満足度と企業価値をさらに高める重要性について語りました。

2020→2022では何が変化したのか?

「DXを進めよう。新時代の働き方に移行しませんか?」をテーマに今回のセッションを進めると語る西脇氏。そのためにも、まずは、2020年から2022年までの2年間の変化を振り返ります。

「米国の Microsoft のオフィスの敷地内には人がほとんどいない状態が続いていました。日本マイクロソフトの品川オフィスにも人がいない、そんな2年でした。この間に色々なことがわかりました。

例えば、スマートフォンよりもPCに向かう時間が長くなりました。これは、生産的な活動をしなければいけないから。そして、ビデオ会議の通話時間が非常に増えました。私達はPCを利用し、PC上の生産性を高めるような Excel、Word、PowerPoint、メール、予定表、ビデオ会議などが本当に大事だとわかった2年間でした。」

2020→2022では何が変化したのか? 「日本マイクロソフトでは、オフィスに人が来なくなったことで、紙の利用量が減った、廃棄物処理量が減った、もちろん電力使用量も減りました。」
2020→2022では何が変化したのか?

在宅勤務とオフィス勤務「どちらかを選ぶ」のではない

2年間でオフィスのあり方・使い方や働き方が変化してきましたが、昨今、多くの企業では徐々にオフィス勤務が復活しつつあります。この点については、どのように考えるべきなのでしょうか。西脇氏は次のように語ります。

「我々の調査結果では、オフィスに行きたいという人と、在宅勤務がいいという人がいて、それぞれ理由があります。ワークライフバランスを重視するのであれば在宅勤務、仕事に集中したいという場合も在宅勤務です。通勤(の大変さや時間)を考えたら、これも在宅勤務です。

一方、同僚とのコラボレーションや、会食など社交的なやりとり、コピーやFAXのために什器を使いたいという場合にはオフィスに行きたいと考えているようです。」

在宅勤務とオフィス勤務「どちらかを選ぶ」のではない

このような調査結果をもとに、西脇氏は在宅勤務とオフィス勤務、「どちらかではない、ということが明らか」であると強調します。

西脇氏は、また別の調査結果を踏まえて「どちらかではない」理由を次のように説明しています。

「フレキシブルなリモートワークを希望するので在宅勤務したい従業員は73%、それに対してパンデミックもほぼ収束しているから直に顔を合わせてオフィスで仕事をしたい従業員が67%、同じくらいの意見があります。つまり、選べるようにしなければならない。このようなワークスタイルを支える仕組みが必要です。」

在宅勤務とオフィス勤務「どちらかを選ぶ」のではない

実際、日本マイクロソフトでは、働く場所を「自己申告で、何%を在宅勤務にするのか、自分のライフプランに合わせて設定」できるようになっていて、「社内イベントはすべてハイブリッドで実施」しているとのこと。

西脇氏は「90%は家、10%だけ会社にいくというように設定できます。また、社内で展開されるすべてのイベントは必ずハイブリッドで実施していて、会社にいても、リモートからでも同じ体験ができなければいけないというルールに変わった」と、その実態を紹介しました。

「分断されていない」ことが重要

オフィスに人が戻り、働き方がハイブリッドになると、それを支えるオフィスソリューションが求められるようになります。ビデオ会議からチャット、コンテンツ管理、メールや予定などをスムーズに切り替えながら業務を行うことになります。この時に重要となるのが「分断されていないこと」だと西脇氏は語ります。

「ピンポイントソリューションは非常に危険です。例えば、ビデオ会議ソフトを別に入れた時、ユーザ名、パスワード、アカウントはどうするのか?ファイルをコピーできるユーザとパスワードは?チャットのアカウントは?セキュリティはどうするのか?…ほかにも、セキュリティのリスクは大きくなります。

個別のソフトウェアを入れるということは、プラットフォームとしてセキュリティが担保されていないということです。場当たりでやってしまうとリスクが大きくなり、例えばドメインの乗っ取り、フィッシング対策、機密情報のアクセスの問題など、個別に全てをカバーしなければなりません。チャット、ビデオ会議、コンテンツ管理、メール、予定表…これらをプラットフォームとしてどうカバーしていくのかが重要な問題となります。もう1つ、コンプライアンスの観点も重要です。機密情報の流出という違反やハラスメント行為がテレワークで見えなくなってきています。」

このように、個別ソフトウェアが乱立した状態では、スムーズな業務の妨げになるだけではなく、セキュリティやコンプライアンス上のリスクにもなり得ると語ります。例えば、こうしたプラットフォームをすべてカバーするためにも Microsoft 365 は活用可能で、多くの企業がすでに利用していると語ります。

「分断されていない」ことが重要

一方、業務の面では、西脇氏はMicrosoft 365 による便利な働き方の例を挙げて紹介しています。

「ミーティングやプレゼンテーションが終わったりすると、ディスカッションがしたいけれど、ビデオ会議ツールはディスカッションに向かないな…と感じたことはありませんか? Teamsのホワイトボード機能では、付箋紙、フリーハンドも当たり前のように使えるようになりました。

また、連絡を取りたい相手に、今、チャットしてよいのか、ビデオ会議がよいのか…などの状況や時差を示してくれる、チャットの送信時間を設定しておくなど、コミュニケーションの相手を気遣うことができるようになります。

マイクロソフトでは、本当に生産性を上げるためにはどうすればいいか、ずっと追い続けて機能として絶えず追加をしてきています。様々な形で皆さんがどこにいても働き方をサポートし 最新の働き方を AIがサポートできるようになってきているのです。」

「分断されていない」ことが重要

“新時代”の働き方改革…従業員エクスペリエンス向上へ

セキュリティやコンプライアンス、生産性向上を備えたプラットフォームを用意することで得られる新時代の働き方とはどのようなものでしょうか。西脇氏は次のように語ります。

「今までは、いつでもどこでも従業員の選択肢に応じて柔軟に働くことができることを重要視してきました。しかし、それだけではありません。『従業員エクスペリエンス』…つまり、従業員が働いて心地よく、楽しく、そして従業員同士がつながってどんどん組織として成功していく姿を指します。もう、どこで働くとか、どのツールを使うとか、そういうレベルを超えませんか?従業員エクスペリエンスを向上させると、生産性が上がる、従業員が退職を選ばず定着率が向上する、といったことも言われてきています。」

“新時代”の働き方改革…従業員エクスペリエンス向上へ

「従業員エクスペリエンス」の向上のためにはどのようなことができるのか、Microsoft 365 の可能性について西脇氏は次のように語ります。

「Microsoft Viva には、コネクション、インサイト、トピック、ラーニングゴールエンゲージなど、個人やチーム、組織が快適に生産性を高めること、学び、ウェルビーイングも手にしながら働くことができる新時代の働き方支援が可能になってます。」

“新時代”の働き方改革…従業員エクスペリエンス向上へ

「最近、『リスキリング(Reskilling)』が、個人と組織を大きく成長させるものとして注目されています。デジタル化をすべての社員の力にということで、多くの企業がリスキリング、つまり職業能力の再開発再教育を始めているのです。

特に、デジタル化、自動化、AIなどの新技術に対応できる能力をちょっとでも勉強した方がいいよと、いうことですね。それで、会社を上げてリスキリング、つまり学びの時間があります。しかし、ほとんどの方は『時間ないよ』『そんなの無理』『忙しい』って言います。だから プラットフォームとして、隙間時間を使ってサクッとリスキリングが提供できることが重要なのです。」

“新時代”の働き方改革…従業員エクスペリエンス向上へ

「すべての社員に学ぶ時間を提供する会社は成長します。しかし、会社の中で学ぶためのコンテンツが少ない時にも、ITの知識ならばMicrosoft Viva でもできます。仕事の流れの中でクリックをしていって、隙間時間にさりげなく学ぶということができるんですね。」

“新時代”の働き方改革…従業員エクスペリエンス向上へ

近い将来、「働く場所」はどこにあるのか?

この2年間で働き方は大きく変化しました。しかし、ビデオ会議ツールが実現したのは一部に過ぎず、会社という空間とはやはり異なり、特にコミュニケーション面では限界があります。こうした課題に対して、これからの働き方がどのように変化していくのか、西脇氏は次のように語りました。

「これから『働く場所』は一体どこに行くのでしょうか。そんな未来の話をします。私たちはもともと、オフィス空間で働いていました。机・イス、会議室があり休憩スペースがあってという感じです。だから、会議をするだけではないんです。でも、不思議なことにこの2年間、私たちは会議スペースをデジタル空間に作りました。だから、みんな、オフィスに戻りたいと思うわけです。みんなで楽しみながらワイワイできるという。」

近い将来、「働く場所」はどこにあるのか?

「私もこの『ビデオ会議ツール』にちょっと飽きてきていて、ストレスを感じはじめました。なぜなら、9人で打ち合わせをする時に全員こちらを見ていますが、オフィスではこのようなケースは多分ないでしょう。また、『最近、元気?』というちょっとした声かけ、ランチなど偶発的なコミュニケーションがありました。

ビデオ会議は仕事ベースの会議空間で、仕事以外のスペースがないわけです。でも、会社は、玄関、受付、エレベーター、トイレ、休憩スペース…様々なところで仕事以外のスペースがあります。だから、色々なところで一体感が醸成できました。では、これからどうなるのでしょうか?」

近い将来、「働く場所」はどこにあるのか?

「ビル・ゲイツは今後、2〜3年のうちにほとんどのオンライン会議は、デジタルアバターによる3D空間であるメタバースに移行するだろう、と語っています。『ビデオ会議を提供する』という考え方ではなく、『会議室を提供して、ここにアバターが参加する』という考え方です。会議が終わり、ディスカッションしようとなった時に、ちょうどこの図のようになるわけです。Microsoft Teamsのホワイトボードの機能が強化したのも、やがてメタバースにつながると思います。」

近い将来、「働く場所」はどこにあるのか?

「また、アバターでコミュニケーションするとストレスが和らぐと言われています。アバターを選んで、そのアバターでTeamsに参加するようになります。このアバターを使ってコミュニケーション空間に行きプレゼンテーションしたり、拍手を送ったり、ハートマークを送ったりして相手と意思疎通ができるようになります。あるいは、ちょっと離れ たスペースでコミュニケーションをとり相手とチームワークを深めるということもできる わけです」

近い将来、「働く場所」はどこにあるのか?

「今日の話をまとめると、前半ではテクノロジーを使って働き方を加速するということ。でもテクノロジーを使うということは、場当たりでツールやソリューション、サービスを買うということではありません。テクノロジーを使うということは、会社としてどのようにプラットフォーム化していくのかを考える必要がります。ですから、プラットフォームとして働き方が連携できてチームの生産性が高まり、セキュリティとコンプライアンスが担保できて、そしてはじめて基盤ができあがります。

その先に何があるのか?…そうです。新時代のDX、働き方改革です。その少し先には多分、メタバースという空間があるんでしょうね。」

近い将来、「働く場所」はどこにあるのか?

まとめ

今回は「ハイブリッドワーク祭 2022」のキーノート講演から、日本マイクロソフト 西脇氏による「最新テクノロジーで働き方のデジタル化を加速し、DX を進めよう!」の概要をご紹介しました。

本イベントについて、数多くの感想が寄せられましたが、いただいた感想やご要望などは、今後のイベント・セミナーにも反映し、さらに内容を充実させていきたいと思います。

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