ヘルプデスクとは?効率化が進まない理由と業務改善のポイントを解説

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ヘルプデスクの効率化は、顧客満足度や従業員の働きやすさの改善だけでなく、業務効率と生産性の向上のために重要です。しかし、対応フローの標準化への遅れや問い合わせの増加・多様化などにより、思うように進まないケースが少なくありません。
この記事では、ヘルプデスクの主な業務内容を解説し、効率化を妨げる障壁について詳しく見ていきましょう。さらに、FAQの整備やチャットボットの導入といった、有効性の高い効率化する方法を紹介します。

この記事の内容
ヘルプデスクの業務内容
ヘルプデスクを効率化できないことで起こる課題
ヘルプデスクの効率化を妨げる主な障壁
ヘルプデスクを効率化する方法
AIチャットボットを活用して、ヘルプデスクを効率化しよう

ヘルプデスクの業務内容

そもそもヘルプデスクとは、企業内外のユーザーが抱えるさまざまな問題や疑問を解決するための窓口です。大きく分けて社内ヘルプデスクと社外ヘルプデスクの2種類があり、それぞれ業務内容が異なります。

■社内ヘルプデスクと社外ヘルプデスクの主な業務内容社内ヘルプデスクと社外ヘルプデスクの主な業務内容

社内ヘルプデスクの業務内容

社内ヘルプデスクは、従業員からの問い合わせに対応し、円滑な業務遂行をサポートします。主な業務内容は下記のとおりです。

<社内ヘルプデスクの主な業務内容>
  • ITサポート:PCやネットワーク、周辺機器のトラブルや疑問に対応する
  • 総務関連:名刺や備品の発注、社内設備の不具合、勤怠関連、社内施設の予約などの問い合わせに対応する
  • 経理関連:経費精算の方法や給与に関する質問など、経理関連の問い合わせに対応する
  • 法務関連:契約書作成やレビューなど、法務に関する問い合わせに対応する

社内ヘルプデスクについては、下記の記事をご覧ください。
社内の問い合わせ対応を効率化するには?手順や効果的なツールを解説

社外ヘルプデスクの業務内容

社外ヘルプデスクは、顧客からの問い合わせに対応し、顧客満足度の向上を目指します。主な業務内容は下記のとおりです。

<社外ヘルプデスクの主な業務内容>
  • 製品やサービス関連:商品仕様、納期の確認、利用方法のサポートなど、顧客からのさまざまな問い合わせに対応する
  • アフターサービス:保証内容や修理依頼、返品交換手続きの案内など、購入後のサポートを提供する
  • イベントやキャンペーン関連:イベントの申込方法やキャンペーンの詳細説明など、販促活動に関する問い合わせに対応する

ヘルプデスクを効率化できないことで起こる課題

社内、社外のいずれの場合も、ヘルプデスクを的確に機能させるためには効率化が欠かせません。効率化に取り組まずにヘルプデスクを運用していると、さまざまな課題の発生を招いてしまいます。具体的にどのような課題が発生するのか見ていきましょう。

対応の遅れ

効率化されていないヘルプデスクでは、対応の遅れが起こりがちです。
社内ヘルプデスクの場合、効率化の不徹底により対応が遅れると、業務が滞るだけでなく、社内リソースの浪費にもつながります。例えば、ITサポートで対応が遅れると従業員の生産性低下を引き起こし、企業全体の業績に影響を及ぼすおそれがあります。

社外ヘルプデスクの場合は、対応の遅れにより顧客の不満が募り、企業や製品のイメージ低下にもつながりかねません。多くの顧客は迅速な解決を求めており、長時間待たされることが重なれば、その不満も蓄積されていくでしょう。その結果、評判の悪化や顧客離れといった深刻な問題に発展してしまうことも考えられます。

対応の質の低下

ヘルプデスクの効率化が進まないことで、対応の質も低下していく可能性があります。
問い合わせを受けるたびに資料を探したり、対応内容を検討したりしていると非効率なだけでなく、対応内容を統一できません。その結果、提供する内容は一貫性を欠いたものとなり、信頼性の低下を招きます。

また、効率化されていないヘルプデスクでは、ナレッジの蓄積や共有が十分に行われないと考えられます。そのため、同じような問い合わせに対して異なる回答をしてしまうケースが増え、従業員や顧客に混乱を与えることになりかねません。

スタッフの負担と離職リスクの増加

ヘルプデスクを効率化できない状態が長期間続けば、スタッフの負担を増加させ、離職リスクを高める要因ともなります。
特に、繰り返し同じような対応が必要な場合や、幅広い範囲に対応する必要があるケースでは、ヘルプデスクのスタッフはそのたびに新たな負担をしいられ、疲弊してしまうでしょう。

そのために回答の質が落ち、対応が遅れがちになれば、ユーザーの不満も高まります。中には、スタッフに対して感情的になるユーザーも現れるかもしれません。
こうした状況が続くとスタッフはストレスを抱えてモチベーションを低下させ、やがて離職に至るリスクが高まります。

ヘルプデスクの効率化を妨げる主な障壁

ヘルプデスクの効率化は、なぜ進まないのでしょうか。ここでは、効率化を妨げる主な障壁について見ていきます。

対応フローが標準化されていない

ヘルプデスクの効率化を妨げる障壁としてまず挙げられるのが、対応フローや手順の標準化の不足です。そのために起こる属人化も、効率化を妨げる要因となります。

対応フローが標準化されていない環境では、特定のスタッフが不在のとき、対応が滞りがちです。通常時においても、回答の品質や対応時間にばらつきが生じやすくなります。すると、スタッフの対応スキルにもばらつきが生じ、特定のスタッフにはますます問い合わせが集中するでしょう。こうした状況が、業務の属人化をさらに進行させます。
属人化が進むとさらに対応フローの標準化が困難になるという悪循環に陥り、効率化がいっそう遠のいてしまいます。

問い合わせの増加・多様化

ヘルプデスクの効率化に対するもうひとつの障壁は、問い合わせの件数増加と内容の多様化です。

近年、業務で使用するIT機器やツールが増え、テレワークの導入が進んだことも加わって、ヘルプデスクへの問い合わせ件数は増大しています。
同時に、総務や人事、製品の詳細な仕様など、問い合わせの内容も多様化・複雑化しています。例えば、クラウドサービスの利用拡大に伴うセキュリティ関連の注意事項や、モバイルデバイスの普及による接続に関するトラブルなど、新たな問題への迅速な対応が欠かせません。

こうした流れにより、問い合わせ業務は質・量ともに負荷が増大し、従来の数のスタッフだけでは対応しきれなくなっているというのが、多くの企業で見られる現実です。このことも、効率化を阻む要因となっています。

ヘルプデスクを効率化する方法

ヘルプデスクを効率化する方法には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、効率化を進めるための方法をいくつか紹介します。これらの方法を組み合わせて実施すると効果的です。

■ヘルプデスクを効率化する方法ヘルプデスクを効率化する方法

ユーザーが情報にたどり着きやすい仕組みの構築

企業のウェブサイトや社内ポータルサイト、ビジネスチャットツールなどを活用し、ユーザーがFAQなどの情報にアクセスしやすい環境を整えることで、ヘルプデスクの効率化が可能です。

例えば、企業ウェブサイトのわかりやすい場所に「よくある質問」のコーナーを置き、検索性の高い仕組みを構築することで、ユーザーは求める情報にたどり着きやすくなります。こうした仕組みを構築することで、顧客満足度の向上や、ヘルプデスクへの問い合わせ数の軽減に貢献するでしょう。

問い合わせ対応の標準化

ヘルプデスクを効率化する方法のひとつに挙げられるのは、問い合わせ対応の標準化です。

過去の問い合わせデータを集約し、マニュアルや手順書を整備することで、対応の質を均一化します。わかりやすい例としては、メール対応のテンプレートの作成が挙げられます。頻繁に使用する文章をあらかじめ用意し、組み合わせてメール対応ができるマニュアルを用意すれば、適切な内容のメールを迅速に作って返信することが可能です。

すべての対応を言語化してマニュアルに落とし込むのは不可能かもしれませんが、できる限り標準化することが重要です。その際は、経験の浅いスタッフでも適切な対応が可能になるようなマニュアルを作成することを目指しましょう。

FAQの作成・整備

FAQの作成と整備も、ヘルプデスクの効率化に役立つ方法です。よくある問い合わせを収集し、カテゴリーごとに分類してFAQを作成し、スタッフがすぐに参照できるようにしておけば、対応時間を大幅に短縮できます。

社外からの問い合わせ対応として、ユーザーが直接参照できるFAQを用意するのも効果的です。ユーザー自身が直接FAQを調べて、簡単に回答を得られる環境を整えておけば、問い合わせ件数自体を減らすことができるでしょう。ヘルプデスクの負荷も軽減され、より複雑な問題に対応する時間を確保できます。

チャットボットの導入

ヘルプデスクを効率化する方法の中でも、特におすすめなのがチャットボットの導入です。チャットボットを活用すれば、問い合わせの一次対応を自動化し、繰り返し発生する単純な質問にはチャットボットのみで迅速に回答できます。また、365日・24時間の対応も可能です。

ヘルプデスクに利用できるチャットボットには、大きく分けてシナリオ型チャットボットと生成AI型チャットボットの2種類があります。
さまざまな質問に回答できる柔軟性のある対応を求めるなら、生成AI型チャットボットが適しています。ユーザーは聞きたいことを自由に入力し、チャットによる自然な会話を通じて回答を得られます。

ただし、生成AI型チャットボットは、万能というわけではありません。チャットボットだけで対応できない質問には、スタッフが対応する仕組みを作っておくことも重要です。

AIチャットボットについては、下記の記事をご覧ください。
AIチャットボットとは?仕組みやメリットをわかりやすく解説
FAQをチャットボットで構築!生成AIを活用した方法も紹介

AIチャットボットを活用して、ヘルプデスクを効率化しよう

ヘルプデスクの効率化は、多くの企業にとって喫緊の課題となっています。対応フローの標準化、FAQの整備といった基本的な取り組みに加えて、生成AI型チャットボットを導入することにより、スムーズな効率化が可能です。
また、AIチャットボットを使った適切な誘導により、ユーザーが必要な情報に迅速にアクセスできる環境を整えることもできます。

ソフトクリエイトが提供する Safe AI Gateway は、企業が生成AIを安全・簡単に利用できるように開発したサービスです。企業ごとに安全な専用環境を作ることで、セキュアな生成AI活用を実現します。
また、 Safe AI Bot は、社外のユーザーや顧客向けの生成AI型チャットボットを、今すぐ利用できるように開発したサービスです。自社データを用意すれば、最短1分でお客様からのお問い合わせやカスタマーサポートなどに使えるチャットボットが完成し、発行されたURLを使ってすぐに運用を開始できます。

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