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ChatGPT、Copilotと、セキュアな生成AI「Safe AI Gateway」の違いとは?【生成AIツール比較表付き】

情報システム部門
AI

生成AIの普及とともにそのツールも増え、選択肢が増えました。そこで今回は、著名なChatGPT、Microsoft Copilotと、中堅・中小企業向けのセキュアな生成AIツール「Safe AI Gateway」それぞれの特徴や違いを紹介するとともに、比較表を用意しました。ぜひ、生成AIツール選びのヒントにしてください。

この記事の内容
ChatGPT、Copilot、Safe AI Gatewayそれぞれの特徴を整理
3つの生成AIを比較しよう! ChatGPT、Copilot、Safe AI Gateway比較表
自社が選ぶべき生成AIは?ケース別おすすめ生成AI
まとめ

ChatGPT、Copilot、Safe AI Gatewayそれぞれの特徴を整理

ChatGPTの特徴…汎用AIとしてアイディア次第で活用の幅が広がる

ChatGPTは、OpenAIが開発した汎用性の高い対話型AIで、大規模言語モデル(LLM)を基盤とした自然な文章生成が特徴的なサービスです。その登場により、生成AIの可能性を多くの人々が実感し大きな話題となりました。企業への生成AIの本格的な普及を牽引する存在となり、今もさまざまな業界で活用が進んでいます。情シスの7割以上がChatGPTを利用したことがわかっています

情シス自身が業務に利用したことがある生成AI(複数回答)(N=434)「数字で見る情シスと生成AIの実情2024」(ソフトクリエイト調べ)より「数字で見る情シスと生成AIの実情2024」(ソフトクリエイト調べ)より

生成AIの用途を調査すると、「文書・資料作成補助(76.1%)」「企画やアイディア出し(67.2%)」「文書の要約(65.7%)」がTOP3です。特定のタスクに限定されず、さまざまな分野で活用できる点もまた、ChatGPTの普及が進んだ理由の1つではないでしょうか。

自社の業務で生成AIをどのように活用しているか(複数回答)(N=67)「数字で見る情シスと生成AIの実情2024」(ソフトクリエイト調べ)より

Microsoft 365 Copilotの特徴…Microsoft 365とのシームレスな連携が可能

Microsoft 365 Copilotは、Microsoft 365ライセンス所有者※がサブスプリクションで利用できるMicrosoft が提供する対話型AIアシスタントです。大規模言語モデル(LLM)を基盤とし、Microsoft 365 や開発ツールと連携して業務を支援するサービスです。Word や Excel、Teams などのアプリケーション内でもシームレスに動作し、日常業務の効率化をサポートする点が大きな特徴です。

なお、ビジネス版として提供されているMicrosoft 365 Copilotのほかに、個人使用向けのMicrosoft Copilot(無償版)と、Microsoft Copilot Pro(有償版)もありますが、以降、本記事で「Copilot」とする場合はビジネス向け製品である「Microsoft 365 Copilot」を指します。
※対応ライセンスについてはMicrosoftのWebサイトを参照

Copilotは、Microsoft 365 の各アプリと連携し、作業内容に応じたサポートを提供します。主要なアプリでの具体的な活用例を見てみましょう。

■Word での活用
  • レポートや提案書などの文章の下書き作成の効率化
  • 長文の要約、分かりやすい表現への修正
  • 文字の校正やチェック、表記の修正 など
■Excel での活用
  • 自動グラフ作成(データから最適なグラフ提案、視覚的なレポート作成も)
  • 関数・数式の生成やエラーの修正をアシスト
  • 複雑なデータ分析、データの傾向や異常値の特定 など
■SharePoint での活用
  • 必要なドキュメントを自然言語で検索可能
  • 社内文書の要約や関連情報の自動リンク付け
  • 社内規定や業務フローの文書化、ポリシーやガイドラインの整理に
■Teams での活用
  • 会議の議事録をリアルタイムで生成し、重要ポイントを要約
  • 長いスレッドを簡潔に整理、タスクやネクストアクションが明確に
  • 会議でのリアルタイム翻訳・要約
  • 会議メモをもとにフォローアップメール作成・共有 など
■Outlook での活用
  • メールの下書き自動作成
  • 受信メールの要約
  • スケジュール調整の自動化、最適な日程候補の提案

このように、CopilotはMicrosoft 365 環境での導入により、各アプリの特性を活かしながら、日常業務の生産性を向上させることができます。

Safe AI Gatewayの特徴…セキュアで自社の情報を学習する「仕事でも安心して使えるAI」

Safe AI Gatewayは、ソフトクリエイトが提供する企業・団体向けのセキュアな生成AIサービスです。Azure OpenAI Serviceの大規模言語モデル(LLM)を基盤とし、社内データの安全な活用と業務効率化を支援しています。kintoneやSharePointなどの業務ツールと連携できる点、 API連携機能を搭載し他のシステムに組み込める点、Teams上からも利用できる点も特徴的です
(※2025年2月現在。最新情報は 製品サイト でご確認ください。)

Safe AI Gatewayは、生成AI利用の際の安全性を重視した設計が特徴です。クローズドな環境で利用できるので、入力データが外部のAI学習に使用されることはありません。また、不正アクセスを防ぐために認証を強化し、安全な運用を実現します。

さらに、自社が所有するデータを活用した回答を生成することができます。自社のファイルをアップロードして学習させたり、kintone、SharePoint、Outlook などの業務ツールと連携したりすることで、社内の情報をもとに適切な回答ができるようになります。

情シス向けには、管理者向けのダッシュボード機能を備えている点が特徴的です。AIの利用状況を一元管理できるので、例えばどの部署がどのように活用しているかを可視化でき、適切な運用ルールの策定やセキュリティ対策を強化するのに役立ちます。

  • ■管理者ダッシュボード画面管理者ダッシュボード画面
  • ■利用者履歴画面利用者歴画面

3つの生成AIを比較しよう! ChatGPT、Copilot、Safe AI Gateway比較表

それぞれ特徴的なChatGPT、Copilot、Safe AI Gatewayですが、導入を検討する際にそれぞれの機能を比較・整理する必要があるでしょう。自社にとって、どの製品が適しているのかを考えるためにもぜひ、本比較表でチェックしてみてください。

項目 ChatGPT Microsoft 365 Copilot Safe AI Gateway
メーカー OpenAI Microsoft ソフトクリエイト
利用エンジン GPT-3.5/GPT-4 GPT-4o (非公開、Microsoft調整) GPT-4o mini、GPT-4o
性能 ネット検索 可能 可能(Bingネット検索と融合) 不可(LLM内部知識から回答)
資料作成 可能 可能(各Microsoftアプリの操作を言語で指示) 限定的(テキストベースの生成のみ対応)
他システム、外部アプリとの連携 別途API連携のための開発が必要 Microsoft 365 アプリ内での連携 kintone/SharePoint/Outlookカレンダー他、多種システムと連携可能(アダプタ開発が必要)
認証 メールアドレス + パスワード二要素認証(任意) Microsoft アカウントまたは Microsoft 365 アカウント必須 Microsoft アカウントまたは Microsoft 365アカウント必須、ID認証、Google Workspace
安全性 企業内データ保管場所 米国内の安全なサーバにユーザ情報を保存 非公開 シングルテナント、マルチテナントからニーズに応じて選択可能(Azure環境)
チャット履歴保管場所 米国内の安全なサーバにユーザ情報を保存 非公開 シングルテナント、マルチテナントからニーズに応じて選択可能(Azure環境)
アクセス制限 可能 可能 ユーザ認証、IPアドレス制限、役割ベースのアクセス制御 (RBAC)、多要素認証 (MFA)
(2025年3月現在)

>AI製品の自社向けの比較表を作成するための「AI製品選定基準表」を無料でダウンロード

自社が選ぶべき生成AIは?ケース別おすすめ生成AI

これまで、ChatGPT、Copilot、Safe AI Gatewayの3つの生成AIの特徴を整理するとともに比較してきましたが、自社にはどのような生成AIが適しているのでしょうか。それぞれどのような企業に適しているのかを見ていきましょう。

●ChatGPTを選ぶケース
ChatGPTは「まずは手軽に生成AIを業務にどう活用できるのか試してみたい」という企業に適したサービスです。特に、コストを抑えてAIを導入したい中小企業や、特別なカスタマイズは不要で、基本的な文書作成や提案準備、文書要約などの業務をサポートしてほしいという企業に向いています。
例えば、新しいテクノロジーに挑戦したいけど、あまりリソースをかけたくないという企業にとって、無料プランから始められる手軽さは大きな魅力です。情報漏えいの心配が少ない業務で簡単なタスクをこなしたい場合に適しています。こうして、さらなる活用が必要な際には、高度で先進的なサービスが利用できる有償プランへと展開できます。
●Microsoft Copilotを選ぶケース
Copilotは、Microsoft 365 のユーザで、すでにOfficeアプリケーションを日常的に使っている企業に適したツールです。Teams や SharePoint、Word、Excel、PowerPointなどなじみのツールと連携し、業務の効率化をサポートします。
社内のファイルをSharePoint/OneDriveで管理している、Teamsを日常的に利用しているといった企業ならば、抵抗なく活用できるのではないでしょうか。特に、議事録作成や日常的な業務のサポートを強化したい企業にとって、Microsoftアプリケーションとシームレスに使えるので、その便利さがすぐに実感できるのではないでしょうか。
●Safe AI Gatewayを選ぶケース
Safe AI Gatewayは、セキュリティ対策やコンプライアンス遵守を強化したい企業・団体に適しています。情シス向けの管理画面を搭載している点にも注目です。
また、機密データや保有している社内の情報資産を安全にAIで扱いたいという企業には最適な選択肢です。kintoneやSharePointなどのデータを生成AIで活用したい場合や、社内向けのマニュアルを作りたい、Webサイトなどに生成AIを活用したチャットボットを設置したいという用途にも向いています。
こんな企業・団体におすすめ 主な特徴
ChatGPT 小規模の企業・団体、ライトに生成AIを利用したい・これから生成AIを利用し始めたい場合 コストを抑えて簡単に導入できる、シンプルなタスクに適している
Copilot 日常的にTeamsの会議などを利用しているなどMicrosoft 365を利用している企業・団体 Microsoftツールと連携することで、様々な日常業務を支援できる
Safe AI Gateway セキュリティ重視の企業、社内データと連携することで業務効率化を目指したい企業・団体 セキュアな環境で社内データ連携・カスタマイズも可能、情シス向け管理機能搭載

まとめ

生成AI導入を検討する際には、自社にとって最適な選択をすることが重要です。ChatGPTは手軽に導入できるので、まずは生成AIを使いたい企業・団体に適しています。Copilotは、Microsoft 365との連携が強みで、業務効率化を目指す企業にとって有用です。Safe AI Gatewayは、セキュリティ対策やコンプライアンス遵守を重視し、社内データをセキュアに生成AIで活用したい企業に適しています。

それぞれの生成AIが持つ特徴とメリットをしっかり理解し、貴社に最も適したAIを選ぶことで、業務効率の向上や生産性アップを実現できます。本記事をぜひ、生成AIを選ぶためのヒントにしてみてはいかがでしょうか。

なお、本資料で取り上げた比較表の最新版・詳細版をダウンロードしたい方、Safe AI Gatewayに関する詳細情報を知りたい方は下記のリンク先をご覧ください。

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