
kintone を使って車両管理を行っている企業の皆様、「データの管理が煩雑で時間がかかってしまう」「データの安全性を確保しながら効率を上げたい」と感じることはありませんか?
kintone はその柔軟性と拡張性で多くの企業に支持されていますが、生成AI を組み合わせることで、さらに高いレベルの効率化と安全性を実現することができます。
今回は、kintone と生成AIを活用した車両管理の具体的なユースケースをご紹介します。
kintone×AI の概要と連携イメージ
生成AIは、自然言語で質問を入力し、それに対して適切な回答を生成することが可能です。代表的な例としては ChatGPT が挙げられます。
AIと kintone を組み合わせることで、通常は一般的な質問に対してのみ回答するAIが、kintone のデータを基にした具体的な回答を提供することができるようになります。これにより、社内で独自に管理している kintone 内のデータ状態を基にした、カスタマイズされた回答が可能となります。

それでは、実際にどんなデータをどのように活用できるのか、具体的な例を用いてご紹介します。
本記事では、生成AIサービスの一つである「Safe AI Gateway」を利用した具体的な質問とその回答例を交えながら、どのように効率化と安全性を実現できるかを詳しく説明します。
活用例 運輸・物流業向け
1.車両メンテナンスに必要な情報が集計しづらい
運輸の現場において、日々運転日報が提出されますが、そのデータを活用できていますか?
データ量が多く、全件の確認が難しくなると、最低限のチェックで終わってしまうかもしれません。
特に、運行履歴等の情報と車両のメンテナンス履歴や運行記録を紐付けて検索するのは一苦労です。
【AIによるデータ抽出】
生成AIと kintone を連携させる事で、kintone 上のデータをAIが扱いやすい形に変換し、質問の意図に沿った形で集計を行う事が出来ます。
これにより、必要な情報を素早く見つけ出し、効率的に管理することができます。
例えば「車両番号XXXは法定点検後何キロ走行している?」「○○部品の交換履歴が無い車両はどれ?」「ドライバー○○は先月どの程度稼働している?」等をすぐに表示できます。


2.最短経路解析
ドライバーの経験と勘に基づいて移動経路が決められるケースが多々あります。
そのため、新人ドライバーがベテランドライバーと同じような効率で業務にあたるまで、長い期間がかかってしまうことがあります。
【AIによる移動経路の提案】
生成AIと kintone を組み合わせることで、拠点間の最短経路を提案することができます。
具体的には、予め kintone に拠点に関する緯度経度を登録しておくことで、Safe AI Gateway 上で生成AIを利用し最短経路の計算をさせる事が出来ます。
ここまでであれば、カーナビゲーションを含む多くのソフトウェアで実現できる内容です。
しかし生成AIの良さはこれだけではありません、計算に制約を加えることが出来ます。
例えば、A、B、C、Dの4つの拠点を2台のトラックで物流輸送する場合の、拠点間の移動時間、各拠点での物流量やトラックの大きさを考慮した上で最適と考えられる提案を行う事が出来ます。


計算の際、幾つかの条件も考慮させる事が出来る為、車幅・道幅やヒヤリハット地点を避ける等、予めルールが設定されているパッケージソフトでは実現しにくい探索要件も組み入れる事が出来ます。
(※車幅、道幅、ヒヤリハット地点のデータは kintone へデータとして登録が必要です)
3.運送計画の提案
物流輸送する場合、個人の移動経路だけでなく、配送グループの全体最適を考慮した計画が必要です。
運送計画の作成にはドライバーを経験した配車マンであっても数時間かかることもあります。
【AIによる運送計画】
配送荷物マスタを kintone で管理している場合、そのアプリの内容に基づいて生成AIが配送計画を立てることができます。
利用する車両情報として台数や積み荷容量の情報などを指定すると、制約に基づいた最適な運送計画を提案します。
途中で荷物の情報が更新された場合でも kintone のデータを更新すれば、Safe AI Gateway 上でリアルタイムで再計算することができます。
計画にあたって制約条件を増やすことも可能で、積み下ろしにかかる時間や休憩時間を考慮した計画を立てることも可能です。



4.分析と提案
業務で使う車両のメンテナンスにはデータに基づく計算が最も重要です。
【AIによる警告や整備状態の把握】
kintone に車両管理履歴や運転日報を登録しておくことで、次のメンテナンスを提案させる事が出来ます。
例えば、A、B、C、Dの4つのトラックにおいて、前回の整備データと運転日報から走行距離を計算し、消耗品の提案を行う事が出来ます。
生成AIサービスの選び方
生成AIを導入する際には、いくつかの重要なポイントを押さえて慎重に選定することが重要です。
ここでは、生成AIを選ぶ際に考慮すべき主要な基準について説明します。
Point1:対応するデータ形式
生成AIが対応可能なデータ形式は非常に重要な要素です。
例えば、kintone と連携できない生成AIを使用する場合、データをCSVファイルなどにエクスポートした上、手動で張り付けを行ってから質問をする必要があり、効率や手間の問題が発生します。これでは生成AIをうまく活用できません。
自社のデータ管理システムとスムーズに連携できる生成AIを選ぶことで、データ解析の効率が大幅に向上します。
Point2:自社データの安全性
車両管理においては、データの安全性が非常に重要です。
便利なAIをついつい多用したくなりますが、データ漏洩のリスクも考慮する必要があります。
例えば、本記事で紹介した Safe AI Gateway は「事後学習をしないAI」と「安全なインフラ環境」を兼ね備えた企業向け生成AIサービスです。
kintone との連携データやチャット履歴の保管場所はもちろん、連携プログラム自体もお客様ごとに分離された環境下で動作するように設計されており、安全に利用することができます。
Point3:精度と信頼性
生成AIの出力結果の精度と信頼性も重要な選定基準です。
解析結果が正確であるか、その結果が一貫性を持っているかどうかを判断する必要があります。精度が高ければ、業務の効率化や意思決定のサポートにおいて大きなメリットが得られます。
サービスごとの導入事例や実績を参考にすることで、実際の使用感や信頼性についての情報を得ることができます。
Safe AI Gateway の導入事例については、下記の記事をご覧ください。
生成AI活用事例!業務マニュアルを活用するためのプロセスを大公開!
kintone×AI で車両管理データを活用しましょう
kintone とAIを組み合わせることで、車両管理における効率と安全性が飛躍的に向上します。
AIによるデータ解析で、運転履歴や拠点情報データを基に、最適な配送経路や運送計画を知ることができます。
効果的な運用をするためには、導入する生成AIサービスの選定を慎重に行うことも不可欠でしょう。
ソフトクリエイトが提供する Safe AI Gateway は、企業が生成AIを安全・簡単に利用できるように開発されたサービスです。企業ごとに安全な専用環境を作ることで、セキュアな生成AI活用を実現します。また、kintone アプリとの連携により、自社データを利用した生成AI型のチャットボットを自社で簡単に作ることが可能です。
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営業・マーケティング部門向けについては、下記の記事をご覧ください。
【活用例】kintone×AI で顧客管理!営業・マーケティング部門向け