Windows HCI パッケージ導入事例
株式会社ニップコーポレーション 様

壁紙や床材をはじめ、100万点を超えるインテリアなどの商材を取り扱い、全国規模の物流ネットワークを展開するニップコーポレーション。同社の業務を支えているのが、基幹・業務システムを載せた HCI 基盤である。ところが2024年、リース満了が迫る環境の EOS (販売終了)が発覚。半年以内での刷新を迫られる事態となった。限られた人員で日常運用にも追われる中、同社はいかにして短期間での移行と、さらに運用負担の軽減やセキュリティ強化・BCP対策を実現したのか ― そのプロジェクトを紐解く。
課題
✔︎ 既存 Nutanix HCI 環境の更改期限と EOS が重なり、半年以内の完全移行が必須に
✔︎ 従来の運用で負荷が増大、対応遅れなど課題を抱えていた
✔︎ 情シス部門の人的リソースやナレッジには限りがあり、運用アウトソースも検討したい
導入効果
● 半年という短期間で基盤刷新を無事完了し、事業継続リスクを回避
● 運用代行と監視サービスにより運用負担を軽減、本業に集中できる体制を確立
● Immutable+Azure 二重バックアップと AD 脅威診断・監視サービスでセキュリティと BCP を強化

壁紙から床材、窓廻り商品、木質系建材・電材・建築金物や粘着剤まで、インテリア分野であらゆる商材を扱うのが、私たちニップコーポレーションです。全国26カ所以上の営業ネットワークで、BtoBに特化した商社事業を展開。自社ブランド商品の企画開発なども手掛け、商社機能とメーカー機能を併せもつ総合インテリアの商社メーカーとして成長を続けています。
情報システム部 システム課 課長
中村亜樹人氏
情報システム部 システム課
志方健人氏
株式会社ニップコーポレーションは、壁紙や床材、カーペットなどのインテリアをはじめ、多種多様な資材を全国に供給するメーカー・専門商社。自社ブランド商材を含む100 万アイテム以上の商品を扱い、全国展開の拠点および物流網で、顧客からの細かなニーズに応え続けている。
2024 年 9 月、事業を支える IT インフラにおいて、情報システム部は大きな課題に直面した。翌年 3 月にリース満了を控える Nutanix の HCI 環境が EOS を迎えることが告げられたのだ。これにより同社は、約半年という限られた期間で、新たな基盤への完全移行が求められた。
情報システム部 システム課 課長 中村亜樹人氏は、当時の状況を次のように振り返る。
「もちろん更改時期は把握していましたが、当初は他の計画との兼ね合いも考慮して、もう少し先の時期に、しっかり時間をかけての移行を考えていました。ところが想定外の EOS を告げられ、かなり面喰いました。とにかく時間がない中で最善策を見つけ出し、少ないリソースで移行が完了できるのか、不安しかありませんでした。」
多くの企業と同様、同社の情報システム部門も人的なリソースは潤沢ではないと中村氏は明かす。
「セキュリティやクライアント対応など多くの業務を抱える中で、基盤の運用に割ける人員は多くありません。加えて、既存 HCI 環境は頻繁にアラート通知が届き、ベンダーに問い合わせても調査やたらい回しで対応が長引いたり、対応のたびに追加コストを求められるのが悩みでした。社内のナレッジにも限界がありますので、可能なら運用から社外に任せたいという思いも、強まっていました。」
短期間での移行という条件の下、同社は複数のベンダーに相談。各社との情報交換は有益ではあるものの、要件に合うプランを見つけるのに苦心する中、目に留まったのがソフトクリエイトからの提案であった。
「各社からの提案は活用技術、支援範囲や費用感にも幅があり、どれも決め手に欠けました。なんといっても今回は短期間での移行に加え、導入後の運用をどう回すかも重要。単なる機器更新では、我々の課題は解決できません。その点でソフトクリエイトの Windows HCI パックは、構築から運用・監視・アップデートまで一体化されており、当社の要件にジャストフィットでした」(中村氏)
採用の決め手を、中村氏は次のように話す。
「Windows HCI パックは、必要な機能が幅広く揃っている点が魅力でした。基盤刷新などのプロジェクトでは多くの場合、構築中や運用段階で不足機能が発覚し、追加のコストや期間がかかりがちです。本サービスはパッケージ化されていることでそういったヌケモレが防ぎやすくなっています。また、パッケージに含まれていない部分も、内容によってはオプションとして追加できるため、必要な機能を揃えて導入できます。さらに、運用面もプロにお任せできることは、従来の運用に課題を抱えていた当社にとって何にも代えがたい価値でした。」

プロジェクトは、ソフトクリエイトのアセスメントサービスによる既存環境の調査・棚卸しからスタートした。重複や利用頻度が低いサーバを整理し、必要なものだけを抽出して、効率的な移行計画を立案した。
「構築に先立ち、まずは一つひとつ丁寧に現状を確認してもらいました。特に、経年で生まれていたサーバの要・不要を切り分けてもらえたのは助かりました。移行対象を絞ったことで効率的な構成となり、移行後もシンプルな運用が可能となります。」(中村氏)
前述の通り、構築フェーズは 2024 年 10 月から翌年 3 月末までの約半年という短期間で進行。新環境では Immutable バックアップに加えて Azure Blob Storage (クラウド環境)への二重保管を導入し、サイバーリスクを低減した。さらに並行して AD 脅威診断・監視サービス(24/365 SOC 連携)も稼働し、切替直後からセキュリティ体制を整えた。
情報システム部 システム課 志方健人氏は、構築フェーズを次のように振り返る。
「構築から運用開始に至るまで、ソフトクリエイトのサポートはとても手厚かったです。進捗の報告や当社からの疑問点への回答も迅速で、不安を抱えずに進められました。」

導入の成果は、まずセキュリティ面で実感されたとのこと。導入直後に AD 脅威診断・監視サービスで脆弱性が検知され、迅速に対応できる効果が得られたと、中村氏は語る。
「監視で不審な兆候を捉え、すぐに全社にアラートを発して、速やかに対応できました。これまで気づけなかったリスクにも備えられることで、安心感が格段に増しました。」
基盤では、これまで十分に対応できていなかったBCP対策も含め、バックアップ体制を刷新。
Immutable 設定に加えて Azure Blob Storage への二重保管を採用し、ランサムウェア被害や災害時への備えを強化した。
「この点は経営層にも判断を仰ぎ、必要な備えであるとの判断で、実行しました。多くの企業でランサムウェア被害が相次ぐ中で、より信頼性の高い対策が施せました。」(中村氏)
そして同社が強く求めていた運用負担の軽減について、両氏は次のように評価する。
「Windows Update の代行などで我々の運用負担が大きく軽減し、余裕を持って業務に取り組めるようになりました。」(志方氏)
「以前はアラート対応に追われることもありましたが、今は運用を任せられるようになり、余計な対応から解放されました。日々の作業に追われることが少なくなり、改善や新しい取り組みに時間を割けるようになりました。移行から安定して稼働し、ほぼ手がかからないことも大きな成果です」(中村氏)
同社は業務効率化や生産性を向上する DX 推進において、Microsoft 365 やワークフローシステムのAgileWorks 、モバイル PC の利活用などをソフトクリエイトと共に完了。ファイルサーバーのクラウド移行も完了しており、今後もオンプレとクラウドを組み合わせたハイブリッド構成を前提に、最適な基盤を追求していく予定だ。
「すべてをクラウド化するのは現実的ではありませんが、効率化や信頼性の向上に必要な技術は、積極的に取り入れたいと考えています。今回の基盤の刷新は、そのための土台を整える、大きな一歩でした。」(中村氏)
中村氏は最後に、ソフトクリエイトへの期待をこう結んだ。
「短期間で HCI 基盤の移行と運用面の課題を解決できたことに感謝しています。今後も当社の事情を深く理解した提案に期待しています。長年の信頼関係を基盤として、今後も当社の DX 推進パートナーとして、頼りにしています。」
※記載内容は 2025年9月 現在のものです。
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※記載されている会社名、製品名などは一般に各社の登録商標または商標です。