「IT 人材不足」がいよいよ多くの企業で深刻な課題となりつつある今。実際に世間の情シスはどのように感じているのでしょうか。また、人材不足時代にどのような解決策で臨もうとしているのでしょうか。2020年1月、ソフトクリエイトが実施したアンケート結果※をもとに解説します。
※情報システムの現状とIT システム活用実態アンケート
「IT 人材不足を感じる」は8割以上、対策は「外部委託」が第1位
昨今、人材不足はさまざまな業界や業種で問題となっていますが、IPA「IT 人材白書」によると、IT 人材の量・質ともに大幅に不足していると答えた企業は年々増え続けていることが分かっています。
ソフトクリエイトが主に情シスに対して行った調査(2020年1月実施)では、「IT 人材、セキュリティ人材不足について質問したところ、80.9%もの企業が「IT 人材、セキュリティ人材に不足を感じている」と回答しています。さらに人材不足への対策内容を調査したところ、「外部サービス利用を代替案として検討」が33.2%と最多になりました。採用活動や社員教育には時間とコストが必要なことから、外部へのアウトソーシングの方が即効性があると考える企業が多いのかもしれません。
「ノンコア」情シスと「コア」情シスの比率は「7:3」
次に、IT 人材による業務のうち、情シス業務に関する質問を紹介します。情シスの業務として考えられるのは、主にビジネスの根幹に関わる「コア業務」と「ノンコア業務」が挙げられます。このいずれに関与する時間はどちらが長いかについて聞いたところ、「ノンコア業務」が69.0%、「コア業務」が29.8%となりました。現在の情シスの主な業務は、問い合わせ対応やシステム運用などのノンコア業務が占めていることがわかりました。
情シスが最も注力したい活動は「コア業務転換」で45%
IT人材不足対策や情シスの働き方改革として、コア業務に専念しノンコア業務をアウトソースすることが有効であることは、これまで下記コラムなどでもご紹介してきました。
>参考コラム:「アウトソース」の誤解を解く!情シス業務をアウトソースする企業へのメリット
実際、情シスが今後、注力したいと考えている活動を質問したところ、最も注力したいとしている活動は「コア業務への転換、専念」で45.3%となりました。また「IT 人材不足対策」も36.7%と高い結果となっています。
まとめ
今回の調査で、8割以上の企業で人材が不足し、約7割の情シスがノンコアを中心とした業務を行い、さらに約半数の情シスがコア業務への転換・専念を検討していることがわかりました。人手不足時代の情シスの働き方として、ノンコア業務をアウトソースすることにより、働き方改革を実現しようとしている姿がうかがえます。なお、ほかの調査結果については、下記の資料をダウンロードして御覧ください。
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