
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が社会や企業に大きな影響を与えた2020年。情シスの働き方はどう変わったのでしょうか。2020年12月〜2021年1月にかけてソフトクリエイトが実施したアンケート結果※をもとに解説します。
※情報システムの現状とIT システム活用実態アンケート 2021
テレワークなど新提案、ノンコア業務が増えている
2020年から2021年にかけて、多くの企業がテレワーク環境の導入を進め、いまや多くの企業でテレワークという働き方を当然のように取り入れるようになりました。このように、企業のIT環境が変わることで、情シスの業務内容はどのように変化したのでしょうか。
ソフトクリエイトの調査からCOVID-19 以前・以降で情シスの業務内容がどう変わったのか、上位の回答をみてみると、
第1位「テレワーク環境など新しい働き方を提案する機会が増えた」60.5%
第2位「セキュリティ対策などが増えた」39.8%
第3位「ノンコア業務が増えた」29.5%
という結果になりました。
多くの企業の情シスがテレワーク環境などの提案に携わるとともに、ノンコア業務として実際に環境の構築や運用も進めているような状況になっていることがわかります。それを裏づけるかのように、2019年度の調査と比較すると、約5%ですがコア業務が減少、ノンコア業務が増加する結果となりました。
※ 2020 年度アンケートは2020 年12月〜2021年に実施(n=522) 2019 年度アンケートは2020年1月に実施(n=867)
情シスは今後、テレワークや端末管理の強化に注力すべきと考えている
※ 2020 年度アンケートは2020 年12 月〜2021年に実施(n=522) 2019 年度アンケートは2020年1月に実施(n=867)
今後、企業はどのようにコロナ後のニューノーマル時代を迎えていくことになるのか、企業の取り組みはそれぞれかと思われますが、ITの関与はより大きなものになることは明らかです。これまでDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やクラウド化、働き方改革が叫ばれてきましたが、テレワークの普及をきっかけに2020年にはその変化の一端が訪れました。このような変化の中、情シスは今後、どのような活動に注力していきたいと考えているのでしょうか。
情シスが注力したいと考えている(注力している最中の)活動の上位は次のようになりました。
第1位「テレワーク対策」46.6%
第2位「コア業務への転換、専念」41.4%
第3位「IT人材不足対策」37.9%
第4位「クラウド接続時のセキュリティ対策」36.4%
第5位「端末管理の強化」36.0%
一方で2019年度と2020年度を比較すると、「テレワーク対策」「端末管理の強化」「エンドポイントセキュリティ強化」が伸び、「コア業務への転換、専念」「ノンコア業務のアウトソーシング」が減少しました。また、今年度からの調査項目として「ゼロトラストネットワークへの取り組み」も25.5%という結果となり、注目を集めていることが伺えます。
そして現在、情シスが最も時間を使っている業務を見ていきましょう。
※ 2020 年度アンケートは2020 年12 月〜2021年に実施(n=522) 2019 年度アンケートは2020 年1月に実施(n=867) 2018 年度アンケートは2018 年9〜10月に実施(n=550)
現在、最も時間を使っている業務は、
第1位「システム運用・保守・報告」39.8%
第2位「問い合わせや障害対応」31.4%
第3位「新システムの導入/システム改定プロジェクト」19.2%
となりました。
ここ3 年の推移を見ると数値の動きはあるものの、その順位に大きな変化は見られない結果となりました。
まとめ
今回の調査では、企業と情シスはテレワーク環境に対して大いに注力してきたこと、今後も力を入れてくることがわかりました。企業にとって、テレワークはパンデミック対策だけではなく、台風など災害時に出社しなくても業務できる環境や、短時間勤務を余儀なくされる従業員にとっても働きやすい環境として効果を発揮していくものと考えられます。この機会に、多くの社員が働きやすい環境を構築していくことは、IT人材不足が課題となっている現在、人材確保・人材採用を考える上でも有効なのではないでしょうか。
また、ほかの調査結果については、下記の資料をダウンロードして御覧ください。
