株式会社ソフトクリエイト 戦略ビジネス部 情報屋の山口です。
さて、パスワード認証という仕組みは、1960年代に開発された基本的な認証方式になります。
・IDとパスワードが一致したら、システムに入れる!
非常にシンプルで、判りやすい仕組みですよね。ただ、現代の様な、ローカルも、クラウドも、スマホでもパスワード認証する様な世の中になってくると、ユーザー ID とパスワードの運用管理がものすごく大変になってきてしまいます。
このユーザーIDとパスワードの負担を軽減する仕組みとして、Azure AD では、SSO(シングルサインオン)という仕組みが提供されています。
SSO(シングルサインオン)とは?
単一 ID を利用して、異なるクラウドサービスにシームレスにアクセスを可能とする仕組みです。
Azure AD の SSO の特徴として、Azure AD 参加状態の Windows であれば、起動時のサインインからクラウドアプリへのアクセスまでをシームレスに行うことが可能ですので、ワークグループや、オンプレミスの Active Directory を利用している環境とは、一味違う利用感になります。
なお、Azure AD の SSO については、Azure AD フリー版を含むすべてのプランで接続数が無制限に利用可能な機能ですので、設定して利用しようと思えば、使える様なものです。
SSO(シングルサインオン)構成されていない状況でたくさんのクラウドアプリを利用すると?
SSO を利用しない場合、ユーザーは利用するクラウドアプリ毎にユーザー ID とパスワードを利用してアクセスする必要があります。
この場合、ユーザーは、各クラウドアプリへのアクセス ID やパスワードを覚えないと駄目な訳ですが、忘れたくないので、ノートや付箋にメモしたりして、なにかの拍子(ノートや付箋、デスクトップ画面の盗み見)で、第三者に漏洩したり、はたまた、パスワード忘れて管理者にパスワードのリセットのお願いをしてきたりと、セキュリティ的にも、生産性的にもよくありません。
対して、SSO を利用した場合、ユーザーは Azure AD のユーザー ID とパスワードのみで、各クラウドアプリにアクセスできるようになるので、ユーザーが覚えるパスワード、入力回数や、パスワードのリセットについての対応が減るので、時間と労力の節約(生産性の向上)となる訳です。
デメリットを考えると、ユーザー ID とパスワードが漏洩すると各クラウドサービスへのアクセスが容易に行えてしまう状況になりますので、Azure AD での多要素認証(MFA)の仕組みを必須とした上で、Azure AD の条件付きアクセスやセッションタイムアウトの設定を併用して、クラウドサービスへのアクセスを強化する必要があります。
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