ネットワーク基盤刷新 / DX推進支援事例

イオンペット株式会社 様

店舗DXのファーストステップとして
全国約200店舗のネットワークインフラを全面刷新

イオンペット株式会社 様

ペットの幸せな一生をサポートする国内最大級のペットビジネスカンパニー、イオンペット株式会社。業務の生産性向上、新たな顧客サービスの創出などを実現するべく店舗DXを推進中の同社は、かねてから課題であった全国店舗の有線・無線ネットワークインフラの全面的な刷新を決断。パートナーであるソフトクリエイトと共に、約2年間、全国約200店舗のプロジェクトを実行した。

課題

✔︎ 店舗DXを推進したいが、ネットワークインフラの不安定さが足かせに
✔︎ 本社や全国の店舗でネットワーク不具合が頻発し、対応に追われていた
✔︎ Wi-Fi環境の不備がiPadやPOSシステムの活用を妨げ、生産性が低下していた

導入効果

 安定したインフラ基盤が実現し、店舗からの障害問い合わせがほぼゼロに
 店舗スタッフとのコミュニケーションで信頼関係を構築
 デジタル活用による新たな価値提供やサービス連携に向けた具体的な議論が可能に

社 名
イオンペット株式会社
所在地
千葉県市川市南八幡4丁目17-8
創 立
2012年2月21日
従業員数
3,301名(2020年2月末時点)
事業内容
リテール事業、サービス事業、動物病院事業
ホームページ
https://www.aeonpet.com/

イオンペット株式会社は、ペット関連商品の販売、グルーミングサロンやペットホテル、動物病院、しつけ教室や保護犬猫の譲渡施設の運営など、ペットのトータルケアをサポートする多角的な事業を展開。ペットの幸せを実現するため、知識と技術と愛情で、ペットと人の「しあわせ」も「たいへん」も支えていくというポリシーの下、お客様の求める商品・サービスを高い品質で提供している。

  • 平井 丈裕氏

    イオンペット株式会社
    情報システム本部
    執行役員 情報システム本部長

    平井 丈裕

  • 佐藤 千賀子氏

    イオンペット株式会社
    情報システム本部 ITサポート部
    佐藤 千賀子

  • 沢登 康弘氏

    イオンペット株式会社
    情報システム本部 ITサポート部
    沢登 康弘

  • 朝生 佑也氏

    イオンペット株式会社
    情報システム本部 ITサポート部
    朝生 佑也

背景・課題

DX推進のファーストステップとして全拠点のネットワークインフラ刷新を決断

イオンペット株式会社は、ペット関連商品の販売(193店舗)、グルーミングサロン(172店舗)、ペットホテル(155店舗)、動物病院(48院)、どうぶつ医療センター(8院)などを全国に展開し、ペットのトータルケアをサポートする多角的な事業を展開している。

本プロジェクトの実行を決断した経緯を、情報システム本部 執行役員 情報システム本部長の平井 丈裕氏は、次のように語る。

朝生 佑也氏

「このプロジェクトは、店舗DX推進のファーストステップとしての取り組みです。DXというとアプリなどにばかり目が行きがちですが、足回りのネットワークインフラがとても重要。しかし当時、当社はさまざまな問題を抱えていました。毎日のように全国の店舗で通信不具合が起こり、我々情報システム部門のメンバーは対応に追われていました。本社でも会議進行が通信不具合で滞ったり、各店舗では接客や棚卸しに活用するiPadのWi-Fiが途切れ、セルラー通信に切り替えて使わざるを得ないなど、生産性にも支障をきたしていました。今後、当社がデジタルを活用して業務効率や顧客サービス品質を向上させるDXを推進するために、まずは足回りのネットワークインフラをしっかりと整備する必要があると社内に説明し、多くの方の理解を得て、正式に進めることとなりました。」

パートナー選定

課題の本質を見極め、各店舗との信頼関係も再構築できる期待が選定の決め手に

プロジェクト推進にあたり、同社はコンペを実施。平井氏は提案に際しての要件を、次のように明かす。

「RFPでは、次の3点を重視しました。1点目は信頼性・保守性。通信インフラが電気やガス、水道のようにあたりまえに安定して使えるようしたい。2点目が、セキュリティを含む機密性および可用性。そして3点目は、当社が目指すDXの基盤としてふさわしい、規模および将来性です。」

同社は10社近くに声をかけ、具体的な提案を受けた4社の中から、パートナーにソフトクリエイトを選定した。その決め手を、平井氏はこう語る。

「選定にあたり、私は役員に『金額の安さだけでは絶対決めません』と伝えていました。各社から良い提案をいただきましたが、中でもソフトクリエイトは、多くの人が理解できる表現で、地に足が着いた提案をしてくれました。当社が目指すべきDXをきちんと捉え、将来も見据えた提案内容でした。そして当時、思うように対応できないことで我々情報システム部門に対する不満や不信感が社内に蓄積していた状況を深く理解して、各店舗とのコミュニケーションをしっかり取って進めますと提案してくれました。本プロジェクトはネットワーク刷新が目的ですが、店舗の方々との関係改善にもつながる期待が高かったことが、最終的な決め手でした。」

この点を情報システム本部 ITサポート部の佐藤千賀子氏は、こう補足する。

「ソフトクリエイトは、営業の方から提案前の段階で『現場を見たい』と要望があり、実際にトラブル対応で店舗に同行してくれました。現地調査や設置、保守などの現地対応は技術者やグループ会社が担当する企業が多い中、営業自ら現地に赴く姿勢に、他社との違いを感じました。課題の細部や本質を捉えるために我々の業務、現場をもっと知りたいという熱意が、すごく伝わりました。」

佐藤 千賀子氏

プロジェクト推進

円滑なプロジェクト推進を実現した3つの工夫ポイント

2022年1月よりスタートしたネットワークインフラ刷新プロジェクトでは、リスクマネジメントとして大きく3つの工夫が施された。

工夫ポイント① 段階的なプロジェクト進行

同社にはペット用品販売、グルーミング、動物病院の3業態があり、業務を止めることが難しい24時間対応の病院もある。さらにロケーションにより店舗ごとに入退館手続きの複雑さやフロアの規模も大きく異なることから、どのように進めていくかが大きなポイントであった。

沢登 康弘氏

進め方の工夫について、情報システム本部 ITサポート部の沢登康弘氏は語る。「さまざまな要素を5つのフェーズに分類し、最初はトライアル期間として約3か月間、各フェーズの小規模かつ近場の店舗から始め、徐々に難易度を上げていく方針を示してくれました。トライアル中に問題点や懸念点をピックアップして、そこからエリアや規模を整理しながら段階的に広げていくやり方です。実施店舗の順番についても、ソフトクリエイトと協議して決定していきました。結果的に、この進め方が非常にうまくいきました。」

工夫ポイント② 全員が常に意識、徹底する「3つのグランドルール」を設定

さらに今回、対応する人によって品質に差が出ることを避けるべく、全員が常に意識、徹底するマインドセットとして、3つのグランドルールを設定。打ち合わせ開始時に必ず掲示するなど、浸透が図られた。

「いずれもスタート当初はあたりまえでも、進める中で見失いがちになるポイントです。こうしたマインドとゴールを設定することで日々の行動が変わりますし、腕章を付ける、こちらから挨拶する、事前に書面で合意形成するといった細かな改善を積み重ねて、日を追うごとにミスがなくなりました。そしてトライアルフェーズ中から何かトラブルがあると自発的に、すぐに連絡をくれるようになり、我々とソフトクリエイト、さらに店舗の方々とも信頼関係が築けて、ワンチームとなって進められました。」(平井氏)

図版

工夫ポイント③ 関係者とのコミュニケーション管理

そして、関係者への伝達ミスなどを防ぐ、「コミュニケーションシート」と呼ばれる管理の仕組みも特長的だ。

「この巨大なエクセルシートは、他社には真似できないCRM的な工夫です。当社は5支社、各3事業本部で15人の支社長の下にエリアマネージャー、店長、当日対応する店舗スタッフと、相当な数の関係者がいます。その人たちをすべてリストアップして、店舗ごとに誰といつ、どんなコミュニケーションを取ったか、共通のチェックリストで手順を細かく記録、連携してくれました。事前連絡のヌケモレをなくすのはもちろん、後からの振り返りという点でも効果が高い。このコミュニケーション活動がなかったら、さまざまな問題が頻発して対応に追われ、プロジェクトが破綻しかねなかったと思います。」(平井氏)

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成果

全国店舗のインフラ刷新で安定通信が実現「成果の見える化」も意識して実行

2年弱にわたるネットワークインフラ改訂プロジェクトは、2023年9月末に完了。本社および全国の店舗の有線、無線ネットワークの刷新が完了した。その成果を、情報システム本部 ITサポート部の朝生佑也氏は、こう話す。

「実施後は各店舗からのネットワーク障害などの問い合わせが、ほぼなくなりました。以前はルータの電源ケーブルが抜けていたとか、調子が悪く店舗側スタッフがLANケーブルを勝手に抜き差しして通信がループしてしまうといったトラブルも頻発していたのですが、このプロジェクト中のコミュニケーションの成果で、そういうことも起こらなくなりました。」

朝生 佑也氏

沢登氏は、プロジェクトの成果物であるドキュメンテーションを高く評価する。

「実施後に、各店舗のネットワーク機器やアクセスポイントの設置場所などの情報を含む、非常に質の高いドキュメンテーションを納品いただきました。これにより日々の運営や、店舗の新設や改装といった今後の計画も格段に立てやすくなりました。」

平井氏は、プロジェクトにおける「成果の見える化」の重要性を、次のように話す。

「多額のコストをかけた結果、『普通に使えるようになりました』では、成果とは認めてもらえません。そこで今回は、大きく3点を意識して、戦略的に成果の見える化を行いました。1点目は、問い合わせ件数や回線速度などの数値と、各店舗のWi-Fi網羅率のビフォー・アフターをヒートマップやグラフにして、一目で改善効果が分かる資料を作成しました。2点目は、実施後の全店舗担当者へのヒアリング。プロジェクト中に気付いたことを、良いことだけでなくネガティブなことも集めて、今後の改善につなげる取り組みです。そして3点目は、このプロジェクトでネットワークが安定したことで、DXの議論が進められるようになったんですよ、という社内への啓蒙です。どうしても目新しいことに意識が向きがちですが、地盤が弱いところに60階建てのビルは建たない。そういうアピールを日々重ねて、成果を理解してもらうよう心がけています。」(平井氏)

図版
今後・期待

プロフェッショナル・パートナーとして引き続きDX推進支援に期待

今後、同社は今回整備したネットワークインフラを基盤として店舗DXを推進し、さらなる業務効率化やサービス品質の向上、顧客とのエンゲージメント強化などを実現したい構えだ。

「ネットワーク品質が安定したことで、iPadとPOSを連携したレジの前捌き機能も実現できました。今後はイオンペット会員向け物理カードのアプリ化、病院のカルテ情報との連携などにより、飼い主の方々がもっとペットの気持ちが分かり、買い物が楽しくなるサービスを実現したいと考えています。そういったお客様への新たな価値提供アイデアの議論が空想ではなく、本当に実現できる基盤が構築できたことに加えて、ソフトクリエイトが店舗の方々との信頼関係をしっかりと構築してくれたことで、今後のプロジェクトも実行しやすくなりました。」(平井氏)

最後に、本プロジェクトの総括とソフトクリエイトへの期待を、それぞれ語っていただいた。

「当時、新店の展開や改装を担当していた私としては、プロジェクト当初は不安でした。でも、結果的にとてもうまく進み、全店の現地調査で詳しく状況を把握してくれていますので、今は安心して一緒に動くことができています。店舗の新規オープンや改装で2週間しかないなどタイトな日程のケースが多いのですが、ソフトクリエイトに相談すると『できません』ではなく『どうすればできるか』を全員で考え、我々に寄り添って対応していただける姿勢がとても助かります。今後も変わらぬサポートに期待しています。」(朝生氏)

「いま、我々もソフトクリエイトが築いてくれた店舗の方々との信頼関係を保ちたいと思いながら、運営しています。店舗スタッフは異動も多いのですが、ソフトクリエイトはその辺りの情報も我々より詳しく、各店舗の時間外の入退館経路なども把握してくれており、非常に心強いです。困っているときも細かな点までアドバイスいただけて助かります。これからも引き続き、支援に期待しています。」(沢登氏)

「ソフトクリエイトからは現場を実際に見る大切さを学びましたし、その姿勢をリスペクトしています。店舗の方がどう動き、何に困っているのかなど、現場にはいろんな情報があるので細かな点も見逃さないように心がけています。今は本当にやりやすい環境ができているので、これ以上の要望はありませんが、人の熱意に頼っている不安もあるので、ぜひシステマチックに進化していって欲しいと思っています。」(佐藤氏)

「本プロジェクトの成功要因でもある決して逃げない、親身なユーザー目線、コミュニケーションは引き続き大切にしていきたい。その上で、ぜひ対等なプロフェッショナル・パートナーとしての関係性で、当社のDX推進を支えて欲しいと思っています。また、せっかく各店舗との関係を構築してくれましたので、これからも我々のビジネスを一緒に盛り上げて行ってもらえたら嬉しいです。」(平井氏)

ロゴ背景

※記載内容は 2025年3月 現在のものです。
※記載された仕様は予告なく変更する場合があります。
※記載されている会社名、製品名などは一般に各社の登録商標または商標です。

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