「IT インフラを管理する人が足りない。この先どうすべきか?」――ソフトクリエイトの調査(2020年)によると、いまや IT 人材不足を感じている情シスは約8割。IT インフラ管理者も人材不足になる時代が訪れようとしています。今回は、その対策について考えたいと思います。
IT インフラ管理者も人材不足に備えなければならない時代
『IT 人材白書2019』では、過去5年間の「IT 人材の量に対する不足感」を調査していますが、「大幅に不足している」は年々増加傾向にあり、2018年では31.9%に上っています。ソフトクリエイトでも同様の調査(2020年1月)を行ったところ、80.9%が IT 人材、セキュリティ人材に不足を感じているという結果となりました。
(左グラフ出典:情報処理推進機構『IT人材白書2019』)
(右グラフ出典:ソフトクリエイト『
数字で見る“情シス”の実情2020
』)
このように多くの企業で IT 人材が不足している現状では、当然、IT インフラ管理人材も不足することは避けられません。では、どのような人材不足対策が考えられるでしょうか。
IT インフラ管理の人材不足対策にクラウド化とアウトソーシングは有効
IT インフラ管理で人材が足りない時に企業が考える代表的な対策としては、下記の4点が挙げられます。
1. 人材を採用する
2. 既存社員への教育・育成
3. 業務の効率化を行う
4. 外部サービスを利用する
しかし、「1. 採用」は IT 人材不足時代の中で時間もコストもかかることでしょう。「2. 教育・育成」は人手不足の中で IT インフラ管理担当者のリソースを割く必要があります。比較的即効性があり、どのような企業でも効果が得られやすいのが、「3. 効率化」や「4. 外部サービス利用」です。
「3. 効率化」としては、複雑化した社内システム運用管理業務をシンプルにすることが考えられます。例えば、クラウド化することで管理しなければならない社内システムを減らして業務負荷を軽減すること、RPA を活用することにより定型業務を効率化することが考えられます。さらに今後は、AI の活用もこれに含まれてくることでしょう。
「4. 外部サービス利用」については、すでにシステム障害保守、システム監視、システム運用代行(ヘルプデスク、バッチ適用等)のアウトソーシングサービスを利用している企業も多いかもしれませんが、この範囲を拡大していくことです。また、オンプレミスのシステムのクラウド化も外部サービスの利用と言えるでしょう。これらは言い換えると、システムや人材を「所有」から「利用」へ切り替えることでもあります。
>参考コラム: 「アウトソース」の誤解を解く!情シス業務をアウトソースする企業へのメリット
IT インフラの可視化がクラウド化やアウトソースの第一歩
IT インフラ管理人材が足りないために「あるべき IT インフラ管理」ができていない実情があるとしたら、「現状」と「理想像」のギャップを考える必要があります。そのためにも「現状」の IT インフラの実情を棚卸しして可視化することが必要です。その上で、ギャップ解消のための施策が検討できるようになります。
例えば、オンプレミスのシステム管理の工数が増えて人手が必要なのであれば、その業務を効率化するためにはクラウド化することや管理をアウトソースすることが考えられます。その対象となるシステムを考えるためにも、IT インフラの実情を明文化した情報が必要となるのです。
もし、IT インフラの可視化がまだできていないのであれば、IT インフラを棚卸しして、IT 資産管理台帳、ネットワーク構成図、サーバラック管理図の作成などを行うことが必要です。また、IT インフラ管理業務のマニュアル化も合わせて進めるようにします。このように、IT インフラ環境と IT インフラ管理に関する業務を正しく把握することが、IT 人材不足解決のための第一歩となるでしょう。
まとめ
今回は、いかに IT インフラの人材不足問題に取り組むのか、そのアプローチについて考えました。オンプレミスのシステムをクラウドに移行するにせよ、運用管理をアウトソースするにせよ、自社の IT インフラの実情を把握することが必要になります。
また、IT インフラが把握できない、可視化できないといった課題がある方はぜひ、下記の資料「IT インフラ運用管理の課題解決 救急箱」をダウンロードしてみてはいかがでしょうか。
ソフトクリエイトでは社内の IT インフラ環境を調査・整理・分析し、現状の問題点を洗い出し、課題の解決を支援する「 IT インフラ環境調査サービス 」を提供しています。自社内ではサーバ環境やネットワーク構成など IT インフラの把握が困難という方は、お気軽にお問い合わせください。