生成AIのビジネスへの活用が広がろうとしている中、情シスはどのように関与していくのでしょうか。今回は、2024年6月にソフトクリエイトが実施したアンケート結果※より、今、目が離せない生成AIの動向を見ていきましょう。
※生成AI活用に向けた情報システム部門の意識調査(AI活用に向けた情シス意識調査)
生成AI活用プロジェクト進行中、「何もしない」企業は大きく減少
「生成AI」は特に2023年以降に大きな話題となっていますが、2024年現在、その実情はどのようなものでしょうか。「生成AIの自社での活用・取組状況」について、2023年12月〜2024年1月と2024年6月の調査結果をもとに、約半年でどのように変化しているのか推移を見てみましょう。
まず、「既に活用している」は13.6%から15.4%にやや増加しています。「活用に向けたプロジェクトが進んでいる」は10.8%から15.9%へと5%ほど増加しました。「活用への期待はあるが、会社としての取組は模索・検討中」はほぼ変わらず35%前後で推移、最多となりました。
大きな変化があったのが「会社としての取組としてはまだ特に何も動いていない」で、34.6%から26.0%へと大きく減少しました。つまり、この半年で生成AIに関心を持たない企業は大きく減り、7割近い企業が生成AIに何らかの関心を持っているということになります。この結果は昨今の注目を裏付ける結果となりました。
約6割の情シスが生成AI導入・設定に関与
このように多くの企業が関心を寄せざるを得ない生成AIですが、情シスはその導入や運用など、実際に活用する際にはどのように関与していくのでしょうか。
情シスの生成AIへの関与状況(N=434)
「情シスが生成AI の導入から運用まで一元的に関与」は33.2%、「技術的な支援や選定、導入や設定などに部分的に関与」で26.5%という結果になりました。約6割の企業で情シスが導入や設定などに少なからず関与することがわかりました。
また、「社内の教育やサポートなど導入・設定以外に関与」は3.9%、「ほとんど情シスは関与しない」は24.9%という結果でした。
情シスの7割は ChatGPT 利用経験あり
いまや無料でもブラウザ経由で生成AIが利用できる現在、情シスもすでに生成AIを利用しているようです。特に有名な ChatGPT をはじめ、数々の生成AIが登場していますが、情シスが業務に利用したのはどのツールでしょうか。
最多となったのは「ChatGPT(無償版・GPT-3.5 等)」で73.3%でした。話題のツールなだけに試用した情シスが多かったのではないでしょうか。一方、有償版の「ChatGPT(有償版・GPT-4o 等)」の利用は21.4%でした。
また、Microsoft が提供する生成AI「Bing Chat(42.6%)」、「Copilot for Microsoft 365(37.1%)」を利用したことがあると回答した情シスも多くいました。Microsoft 製品をすでに利用している企業にとって、使い始めやすいこともその理由ではないでしょうか。また、「その他」では、Adobe製品、Claude 3、Canva、Midjourney、Stable Diffusionなどが挙げられていました。「画像生成AI」は9.7%でしたが、その利用も少しずつ増えているようです。
まとめ
今回は、情シス向けに実施した、生成AIに関するアンケート結果から、その動向や情シスと生成AIの関わりについて結果の一部を紹介しました。生成AIの企業への導入はまだ始まったばかりですが、情シスはその活用に大きく関与していくものということがわかりました。
本コラムでは調査結果の一部を取り上げましたが、ぜひ、下記の資料をダウンロードして他の結果も御覧いただき、今後の生成AI活用に向けた取り組みの参考にしてみてはいかがでしょうか。