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2025年、情シスの新たな取り組みと課題とは?「DX推進」と「Windows 11移行」、「人材育成」にも時間を使う── 2025情シスアンケートより

情報システム部門

Windows 10のサポート終了が迫り、DX推進やAI活用がますます進む中で、情シスが直面する課題や注力すべき業務とはどのようなものでしょうか。2024年12月〜2025年1月にかけてソフトクリエイトが実施したアンケート結果から、情シスの現状や課題、新たな取り組みについてご紹介します。
※情報システムの現状とIT システム活用実態アンケート2025(情シス実態アンケート)

この記事の内容
「DX推進」と「Windows 11移行」情シスの新たな取り組み上位に
Windows 11 移行完了は2割、残り8割は移行作業が残る
「人材育成・教育」に時間を使う情シスが急増
まとめ

「DX推進」と「Windows 11移行」情シスの新たな取り組み上位に

企業のIT戦略が高度化する中で、情シスの役割や業務内容も拡大しています。最新のアンケート調査では、「DX推進(48.7%)」「Windows 11への移行(40.2%)」「生成AI活用(27.0%)」が、「情シスとして新たに取り組んでいること」の上位に入る結果になりました。

情シスとして新たに取り組んでいることTOP3

特に、「DX推進」が約5割に達していることから、情シスのDXへの取り組みが経営戦略にも深く関与していることが考えられます。

「情シスとして新たに取り組んでいること」のほかの回答で、DXに関連する項目としては、「ペーパレス化(24.4%)」「レガシーシステムからの脱却(23.6%)」「社内・経営層へのDXの教育(22.7%)」なども挙げられ、企業全体のデジタル変革が本格化している様子がうかがえます。

また、2位の「Windows 11への移行(40.2%)」は、2025年10月のWindows 10サポート終了に向けた取り組みとして、多くの企業が移行作業を進めていることを示しています。

3位の「生成AI活用(27.0%)」では、これまで生成AIがビジネスの現場に業務効率化などの用途で普及してきましたが、これからは本格的にシステム連携や社内データの有効活用、AI開発による専門業務への活用などが見込まれています。その活用の幅も大きく広がることが期待できそうです。

これらの結果からもわかるように、情シスは従来の運用管理業務にとどまらず、DX推進やAIの活用など、企業の競争力を高めるための重要な役割にも力を入れようとしていることがわかります。

Windows 11 移行完了は2割、残り8割は移行作業が残る

「情シスとして新たに取り組んでいること」でも2位になっていた、Windows 11 への移行について、ここではほかの調査結果と合わせて見てみましょう。
Windows 10のサポート終了が近づく中、まず、企業の「Windows 11 への移行状況」を調査したところ、以下のような結果となりました。

Windows11への移行状況

この結果から、「全社移行済み」は約2割で、残りの約8割の企業が Windows 11 への移行作業を進めている、または計画段階にあることがわかりました。特に、「一部移行済み(38.3%)」や「移行中(22.0%)」の企業が多く、段階的に移行を進めている最中の企業が多いことが特徴的です。

次に、「Windows 11 移行や運用管理における課題(下図参照)」では、「特に課題はない」と回答した企業が42.3%と最多となりました。一方で、31.5%の企業が「コストの負担」を懸念しており、Windows 11 のハードウェア要件の厳しさから、新たなPC調達が必要となるケースが多いことや、作業にかかる負担などがその一因ではないかと考えられます。

Windows11への移行や運用管理において、どのような課題がありますか?

また、20.5%の企業が「人材不足」を課題として挙げ、IT人材の確保が難しいことが、Windows 11の移行計画の妨げになっている企業も少なくないようです。ほかにも、15.9%の企業は「技術的な課題」があると回答しており、既存システムやアプリケーションの互換性など、移行の障壁に直面していることがわかります。

「人材育成・教育」に時間を使う情シスが急増

ほかにも目立ったトピックスとして、「最も時間を費やしている情シス業務」の結果が挙げられます。

最も時間を使っている情報システム業務

上位は例年通り、「問い合わせや障害対応(26.7%)」「システム運用・保守・報告(26.2%)」「新システム導入/システム改定プロジェクト(21.8%)」の3つの業務となりました。

注目すべきは、「情シス人材育成・教育(11.3%)」が急増している点です。他の設問からは次のような傾向が見られました。

  • 5人以上の情シス体制を持つ企業は直近10年間で5%以上増加している
  • 情シス不足対策の1位「社内育成」で32%、2位が「採用活動」で27%
  • 情シスの今後の注力業務で「全社的なIT人材づくり」を挙げた企業が4割

こうした動きの中で、採用活動や、社内の情シス人材のスキル向上など、体制強化にも取り組む企業が増えていると考えられます。

まとめ

今回のアンケート調査から、DX推進、Windows 11移行、人材育成が、情シスの新たな取り組みとして進められていることが明らかになりました。

特に最近の動向としては「人材育成・教育」にかける時間が増えており、組織としての体制強化に取り組む企業が増えていることは注目すべき点です。
本コラムでは調査結果の一部を紹介しましたが、より詳しいデータや分析については、下記の資料をダウンロードしてご覧ください。今後の情シスの取り組みの参考になれば幸いです。

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ソフトクリエイトは、企業の情報システム担当者(情シス)に対して、働き方や業務内容などの実態を調査するべく「情報システムの現状とIT活用実態アンケート2025」を実施しました。本記事はその一部を抜粋したものですが、より詳細な内容は以下の資料よりご覧いただけます。
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