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ヒーローになるには欠かせない「トップの理解を得る」ための戦略

情報システム部門
村松ブログ

前回のコラム では、情シス部門内のチームビルディングについてお話ししました。
今回は、情シスが会社のヒーローになるための次のステップ、「トップの理解を得るための戦略」について考えていきます。

会社組織においては、自組織以外を巻き込んだり、お金がかかる活動をするには上位マネージャーの許可が必要になります。
情シスが会社の発展を加速する存在になるためには、会社全体を巻き込んだ活動をするわけですから、トップの認知を得るのは非常に重要です。
トップの支持がなければ、予算も人員も確保できず、さらには業務の効率化が進むと人員削減のリスクも伴います。

では、トップを説得するためのロジックとプロセスを考えていきましょう。

この記事の内容
1.プレゼンテーション資料をつくる
2.トップの関心に沿ったテーマを選択する
3.ロジックを構築する
4.数字で示す
5.成功事例を紹介する
6.トップへの階段は「1歩ずつ」上る
7.トップとのコミュニケーションを強化する
まとめ
おわりに ~ご意見お聞かせください~

1.プレゼンテーション資料をつくる

具体的にトップに承認してほしい事柄を資料に落とし込みアピールしましょう。

可能であれば計画にしたいですが、最初からすべてを盛り込む必要はなく、ステップに分けてその第一弾を示すでもかまいません。目的は情シスの存在意義と活動の認知を広げることです。

トップは忙しいので、明確で、意味のある事柄(具体的な計画)にしか時間をもらえないかもしれません。次の項目より、トップに響く計画のポイントを紹介します。

2.トップの関心に沿ったテーマを選択する

トップの理解を得るには、トップの論理で説明しなければなりません。トップは一般的に以下のような関心事を持っています。

情シスがこうした視点でどのように貢献できるかを明確に示すことが必要です。

会社の収益性という意味では、従業員の生産性向上との因果関係を説明しましょう。
業務の効率化は、自動化やロスタイム削減の効果を説明しましょう。
リスク管理とセキュリティは情シスが、組織のリスク管理やセキュリティにどう取り組もうとしているかを説明しましょう。
会社の理念やミッションが明確である場合には、そこから導出されるテーマを選択しましょう。

ここで選んだテーマがトップの関心に近ければ近いほど、その後の展開が受け入れられやすくなります。

3.ロジックを構築する

トップを説得するためのロジックを構築します。選択したテーマを以下のステップでロジックを構築します。

ロジックを説明するのには、フレームワークを用いると良いでしょう。
どのようなフレームワークが良いかは内容によりますが、フレームワークにより図式化することで、格段にわかりやすくなることがよくあります。

4.数字で示す

トップを説得するためには、具体的なデータや数値を用いることが効果的です。
情シスの活動が会社の利益や効率にどのように貢献しているかを具体的に示しましょう。

情シスのこれまでの活動の数値が使えればベストですが、うまく数値化できなかったり、これからやろうとしていることに対する数値的な効果を示したい場合は、総務省や経済産業省、IPA等が多くの情報を公開していますので、活用するとよいでしょう。
例えば、総務省がだしている「情報通信白書※」などを参照してみてはどうでしょう。

※情報通信白書(総務省) https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/index.html

5.成功事例を紹介する

他社の成功事例を紹介することも有効です。
情シスが主導するプロジェクトがどのように他社で成功し、会社の成長に貢献したかを具体例として提示します。

事例の集め方ですが、最近はオンラインの無償セミナーをシステムベンダーが多数開催していますので、わたしはそれらから拾うことが多くなっています。

6.トップへの階段は「1歩ずつ」上る

組織の規模にもよりますが、情シス部門とトップの間に組織階層がある場合は、下から1階層ずつ提案を行いましょう。

むやみに階層をスキップすると、スキップされた階層の代表が抵抗勢力になるリスクがありますので気を付けましょう。

できれば、中間のマネージャーにも丁寧に説明して応援団になってもらいましょう。

7.トップとのコミュニケーションを強化する

トップへのプレゼンは入口にすぎません。
トップとのコミュニケーションを強化し、定期的に報告や提案を行うことが大切です。

こうした提案を含めることにより、今後の活動においても継続してトップの支援を得ながら活動を広げることが可能です。

まとめ

情シスが会社のヒーローになるためには、トップの理解と支持が欠かせません。

トップを説得するためには、トップの関心を理解し、具体的なデータや成功事例を用いて、情シスの重要性を明確に示すことが必要です。

定期的なコミュニケーションを強化し、信頼関係を築くことで、情シスは会社の発展を加速する存在となり得ます。
次回は、業務の棚卸と整理についてお話しします。

おわりに ~ご意見お聞かせください~

本コラムの主旨は単に情報やノウハウを伝えることではなく、読者の方からのフィードバックを受けて各テーマの解像度を高め、実践を積み上げていきたいというものです。
皆様の組織ではどのような課題を持っていますか、解決した事例はありますか。コラムの中で是非ご意見を紹介させてください。

▼是非こちらのフォームよりご意見、ご感想をお寄せください。▼

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■著者紹介■

村松 真(むらまつ まこと)
出身:東京都稲城市
ひとこと:情シスの皆様に寄り添うコラムをお届けします

Microsoft Top Partner Engineer Award 2023年 受賞
エンジニアとしてのキャリアに加え、経営や組織開発、文書管理、Microsoft の製品知識、情報セキュリティなど幅広い視点で、中堅中小企業のお客様を支援。

村松 真

大学に入学した1982年からコンピューターにさわりはじめ、社会人になってからはプログラマー、SE、開発管理などソフトウェア開発全般を経験しました。その後日本マイクロソフト社の有償サポートのマネージャを経てソフトクリエイト社に入社しました。
ソフトクリエイト入社後はサーバー構築やクライアントのドメイン移行や運用支援など、インフラ構築系案件のプロジェクトマネージャーとして経験を積んできました。
2019年に中小企業診断士の資格を取得し、コンピューターシステムだけではなく、経営視点や組織開発、文書管理、情報セキュリティなど様々な角度からお客様のソリューション支援を行っています。
長年情シスのお客様と接していて、頑張っているのになかなか報われない姿をみてどうやったら応援できるだろうかと考え続けてきました。

DXによる変革と、AI活用による業務変革がすべてのお客様に求められる現代において、情シスの価値が爆上がりするチャンスが到来しました。
この機を捉えてブレイクする情シスに寄り添うコラムをお届けしたいと思います。

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