
前回のコラム
で、私が考える「情シスが会社のヒーローになるプロセス」についてお話しました。
今回はその第一弾「チームの結束を固める」についてお話したいと思います。
情シスが会社のヒーローになるには、まずは情シス内の結束が必要です。自分たちのモチベーションが低いままで、他部署を盛り上げることなど、できようがありませんよね。では、チームビルディングのポイントを整理したいと思います。
1.共通のビジョンと目標設定
チームビルディングの第一歩は、メンバーの方向性を定めることです。方向性がバラバラでは力が分散して成果はあがりません。以下のステップで全社のDXを成功させ、情シスがヒーローになるという共通目標を掲げましょう。
情シスがヒーローになれるかどうかの大部分は、この共通のビジョンと目標設定にかかっているといっても過言ではありません。
夢を語りつつ現実も見据えた、頑張ればできると思える目標をかかげましょう。
2.役割の明確化と責任の分担
共通の目標を持ったからといって、メンバー全員が同じことをするわけではありません。メンバーの専門分野やスキルにもとづいて、役割を明確にします。
ネットワーク管理担当、セキュリティ担当、ユーザーサポート担当といったかたちで、担当を分けて責任範囲を明確にします。ただし、担当者だけがその担当分野をやるわけではなく、担当者はその分野のリーダーであり、各メンバーが他の担当分野を手伝ったり、手分けができるようにしておくことが重要です。
この体制ができていないと、負荷が一部メンバーに偏ったり、誰かが病気をするとリカバリーが困難といった事態に陥ります。
3.定期的なコミュニケーションとフィードバック
週次や月次で定例ミーティングを開催し、進捗状況や課題を共有します。大切なことは、担当以外のタスクも自分事として参加し、協力しあえるようにすることです。
といったことが重要です。最新のAIを活用すると、議論のまとめや議事録作成支援などができるようになってきているので、積極的に活用するとよいでしょう。
4.スキルアップとトレーニング
チームのレベルアップや、モチベーション向上には定期的なトレーニングやスキルアップの機会を用意することも大切です。とくに情報システムはメンバーに技術志向が強い場合が多く、新しい知識を得たり、スキル向上を望む場合が多いと考えます。
チーム内でセミナーを開催したり、資格取得を支援するのも効果的です。”教える”ことは最高の学びですから、社外のセミナーで学んだことを、社内講師となってメンバーに教えるといった形ができると、非常に効果が上がります。
5.チームビルディング活動
チームが一体となって取り組むには、仕事だけのつながりではなく人としての相互理解が大切です。
は、メンバー間の親睦を深めることに効果があります。
マネージャーはメンバーと公平に1on1を実施し、メンバーの本音に気を配ることが大切です。
今はリモートワークが増えているので、リモート雑談会やバーチャルコーヒーブレイク、オンラインゲームなどオンラインでの交流の促進の工夫も有効です。
6.柔軟な働き方とワークライフバランス
メンバーが働きやすい職場をつくるには、フレックスタイム制やリモートワークなど、柔軟な働き方ができる環境づくりが望まれます。
また、ワークライフバランスを大切にし、負荷が一部メンバーに偏ったり、一定時期に業務が集中しすぎないように調整をこころがけましょう。
メンバー間で助け合える関係作りが大切です。
7.感謝と認識
メンバー間の助け合いの鍵が、メンバーの努力や成果に対して感謝の意を示すこと、そして優れた成果や貢献をしたメンバーを公に認識し、賞賛することです。例えば、プロジェクト成功時に感謝のメールや小さなギフトを贈るとか、月間MVPを選定して、全社メールで紹介するようなとりくみはどうでしょうか?
情シスが会社のヒーローになる第一歩とは
情シスがヒーローになるには、まずは自分たちが仕事をしていて楽しいと思えることが大切です。
ここに挙げた施策はほんの一部でしかありません。
近年は人的資本管理など、人に焦点をあてたセミナーや書籍が多数ありますので、そうした情報を取り入れて、是非とも楽しい職場づくりに取り組んでください。
それこそが情シスが会社のヒーローになる第一歩なのですから。
おわりに ~ご意見お聞かせください~
本コラムの主旨は単に情報やノウハウを伝えることではなく、読者の方からのフィードバックを受けて各テーマの解像度を高め、実践を積み上げていきたいというものです。
皆様の組織ではどのような課題を持っていますか、解決した事例はありますか。コラムの中で是非ご意見を紹介させてください。
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■著者紹介■
村松 真(むらまつ まこと)
出身:東京都稲城市
ひとこと:情シスの皆様に寄り添うコラムをお届けします
Microsoft Top Partner Engineer Award 2023年 受賞
エンジニアとしてのキャリアに加え、経営や組織開発、文書管理、Microsoft の製品知識、情報セキュリティなど幅広い視点で、中堅中小企業のお客様を支援。
大学に入学した1982年からコンピューターにさわりはじめ、社会人になってからはプログラマー、SE、開発管理などソフトウェア開発全般を経験しました。その後日本マイクロソフト社の有償サポートのマネージャを経てソフトクリエイト社に入社しました。
ソフトクリエイト入社後はサーバー構築やクライアントのドメイン移行や運用支援など、インフラ構築系案件のプロジェクトマネージャーとして経験を積んできました。
2019年に中小企業診断士の資格を取得し、コンピューターシステムだけではなく、経営視点や組織開発、文書管理、情報セキュリティなど様々な角度からお客様のソリューション支援を行っています。
長年情シスのお客様と接していて、頑張っているのになかなか報われない姿をみてどうやったら応援できるだろうかと考え続けてきました。
DXによる変革と、AI活用による業務変革がすべてのお客様に求められる現代において、情シスの価値が爆上がりするチャンスが到来しました。
この機を捉えてブレイクする情シスに寄り添うコラムをお届けしたいと思います。