情シスの業務を変えつつあるクラウド化。多くの業務を「所有から利用」へと変革することで、情シスの働き方を変えるきっかけになると目されていますが、その実情はどのようになっているのでしょうか。
クラウド利用の現実とは?
ソフトクリエイトの調査では、いまや500〜999名規模の企業の76.4%はクラウド(PaaS以外)を利用していることが分かりました。その多くは、SaaSかつ情報系システムという実情もあるのですが、少しずつIaaSやPaaSの活用、基幹システムのクラウド移行も進んでいる状況です。
クラウド化については、2018年に大きなトピックがありました。それは政府が公布した「クラウド・バイ・デフォルト原則」です。これは政府情報システムではクラウドを優先的に採用するというという基本方針です※。
また同方針では、「クラウドサービスは、正しい選択を行えば、コスト削減に加えて、情報システムの迅速な整備、柔軟なリソースの増減、自動化された運用による高度な信頼性、災害対策、テレワーク環境の実現等に寄与する可能性」が大きいことや、「クラウドサービスが危険だろうと思い込んではいけない」といったことも訴えられています。
※第77回各府省庁情報化統括責任者(CIO)連絡会議『政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針(案)』より
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai77/siryou.html
まとめ
一方で、ソフトクリエイトによる調査のうち500〜999名規模の「今後のシステム導入・移行時のクラウド活用方針」を見ると、「都度判断」の回答が約7割。「クラウド優先・前提」は約2割に過ぎません。しかし、政府による「クラウド・バイ・デフォルト方針」はこうした状況に一石を投じることになると考えられます。事実、セキュリティの堅牢性が重要な金融機関も積極的にクラウド化を進めていることなどが報じられている今日、官民を問わずクラウド優先導入・移行の動きが広がっていくことが予測されます。