
2019年6月28日(金)、東京都港区赤坂の山王健保会館にて「Azure が気になる人のための 基礎〜事例までまるっと覚えて帰ろう!」と題したセミナーが開催されました。
このセミナーでは、「Microsoft Azure の事例や活用方法について知りたい」「パブリッククラウドの活用を進めたい」といった課題を お持ちの方に向けて開催され、Azure の基本や活用方法、事例、具体的な移行方法などについてのセッションが行われました。今回は、その概要をダイジェストでレポートします。
Session 1. 情シスが Azure で始めるパブリッククラウド
株式会社ソフトクリエイト
クラウド推進グループ
佐藤 吉人
今回のセミナーでは、株式会社ソフトクリエイト クラウド推進グループの佐藤 吉人がすべて登壇。Microsoft Azure(以下、Azure) の豊富な実績や、Azure 移行に関する取り組みに裏付けられた情報をもとに講義が行われました。
Session1では、Azure は万能か? なぜ Azure なのか?といった話題から、Azure の概要や基礎を学び、適材適所に活⽤していく考え⽅について紹介がありました。まず、何らかの形でクラウドサービスを導入している企業は年々増加し、平成30年度では半数を超えた現状が紹介され、クラウド導入企業の8割以上が効果を実感しているという調査結果が紹介されました。その理由としては「使いたいシステムを」「使いたいときに」「使いたい分だけ使って」「使った分だけ払う」というメリットがあるからとしています。
続けて、Azure がどのようなものかを紹介しました。Azure とは「Microsoft が提供するパブリッククラウドプラットフォーム」であり、その特長を次のように挙げました。
[特長]
1. セキュリティとコンプライアンスへの準拠
2. Active Directoryと緊密に連携でき、接続時のセキュリティが強固
3. 世界最大のクラウドインフラである
世界最大のクラウドインフラという点では、日本だけで2つのリージョンが存在し、災害対策が確立されていること、データそのものは国内に保存されていること、準拠法は国内法であることで、海外企業のサービスにありがちな不安がないことも説明されました。セキュリティへの期待からも、国内で多くの金融機関が導入をしていること、また多くの OS、アプリケーションに対応していることも資料をもとに解説されました。

Session 1 の最後では、「Azure は万能か」という問に対して「万能ではない」、「適材適所」と述べています。今回のセッションでは、「できるところから導入してみる」ことをすすめています。そこで、クラウドのメリットを体感する、メリットを感じられなかったら撤退するという柔軟性が大切だということです。
Session 2. 事例で見る Azrue でこんな環境を作るべし!
Session 2では、ソフトクリエイトが実際に導入・運用している事例をもとに、Azure の活用法について解説しました。ソフトクリエイトでは、自社内を実験場と考えて Azure を導入することで、起こりうる問題やその対応方法を学び、Azure の活用法を体感してお客様にお伝えできるようにしています。 実際、Azure 側では Active Directory やファイルサーバ、グループウエアなど約20台のサーバを運用し、データセンターと共存しています。
続いて、コーポレートサイトもAzure に移行した事例も紹介されました。金融関連企業にサービス提供するため、FISC に対応する必要があり、Azure への移行を決断したとのこと。移行後、想定通りコストアップはしましたが、冗長性が確保され、WAF が導入されていることも考慮すると割高感はないとのことでした。更に、災害時の対応として、「極力、コストをかけず」「構成を変えることなく」、「遠隔地でのバックアップ」を実現していることも紹介されました。「導入後に起こりがちな悩み」を実体験することで、Azure に対する様々なお悩みに対応できることを裏付けています。
Session 3. さぁ、Go to Azure
最後の Session では、Azure への移⾏( Go to Azure )がテーマ。調査・検討~導⼊~運⽤まで、Azure で最適な環境を作るためのヒントを次の3つのステップを通じて紹介しました。
1. 移行を検討する
移行の検討段階では、まず、「自社を知ることがポイント」です。クラウド環境に移行できるかの社内ポリシーの確認、ネットワーク構成図、機器一覧の作成、移行対象の仮決定、アプリケーションメーカーへの確認を済ませた上で、業者と相談することになります。その際に、複数の業者に相談して、それぞれの提案を吟味することが大切だと解説していました。
また、業者との相談で、監視、保守、運用の内容について、詳細に確認することも大切だと説明されました。
2. 移行する
発注後は、構築において、業者が汗を流す段階です。この段階では、業者が動きやすいよう、社内調整に気を配ることをポイントとして挙げていました。
3. 監視・保守・運用する
導入後の運用では「監視・保守・運用」の視点で解説がありました。監視では、死活監視、ディスク容量監視、ポートやプロセス、URLなど、監視・保守・運用に必要な基本的な項目の紹介がありました。ただし、社内ですべての管理が困難な場合にはアウトソースする選択肢もあることを述べています。
まとめ
今回のセミナーでは、「 Microsoft Azure 」を導入する背景から、その具体的な事例、そこから見える課題と解決策が詳しく紹介されました。今後もより充実させたセミナーを実施していきたいと思います!
また、残念ながら本セミナーに参加できなかったものの、内容を詳しく知りたいという、多忙なひとりの情シス、兼任情シスの方には、本セミナー資料(抜粋版)を用意いたしました。ぜひ、下記よりダウンロードしてください。
