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数字で見る“情シス”の実像2019 ~クラウドの利用状況について~

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ソフトクリエイトでは、2018年9月~10月にかけて「情報システム部門の現状と IT システム活用状況に関するアンケート」を実施しました。本調査は、企業・団体等で IT システムの導入や運用・管理などに携わる情報システム部門(情シス)の担当者の実態を探ることを目的に実施されましたが、550件の調査結果を読み解くことで、企業 IT インフラ導入・活用状況や IT ライフサイクル管理の実情、情シスの働き方の実態などが浮き彫りになりました。この調査結果を参考に、2019年に取り組むべき課題や「情シスの働き方改革」について考えてみてはいかがでしょうか。

この記事の内容
クラウドサービス利用は約7 〜8 割、管理・把握外も意外に多い
「SaaS」利用は8〜9割、「IaaS / HaaS」は3割
PaaS「利用していない」は5割〜7割
最も利用されている PaaS は「AWS」、次いで「Azure」
利用中のクラウドは、「メール」「社内情報共有・ポータル導入」がトップ2
今後利用したいクラウドは、「IT 資産管理」、「ワークフロー」、「SFA/CRM」
クラウドサービスに求めるものは、コスト・品質・セキュリティ
システム導入・移行はまだ、クラウド・バイ・デフォルトではない
5割以上の企業では、情シスがクラウド導入を仲介
Windows Server 2008 サポート終了間近、多くの企業が移行中
まとめ

クラウドサービス利用は約7 〜8 割、管理・把握外も意外に多い

昨今、多くの企業でクラウドサービスの利用が進んでいます。その実態を見ると、100 名以上の中堅〜大手では約7割〜8割という状況です。その一方で、「管理・把握できていない」も2割から3割と無視できない数値となっています。導入しやすい SaaS だけに、情シスの管理外で各部署ごとに使ってしまうという状況、シャドー IT などがはびこる状況にもなりかねないため、管理・把握方法については新たな課題となることでしょう。

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図1 クラウドサービス(PaaS 除く) の利用状況

「SaaS」利用は8〜9割、「IaaS / HaaS」は3割

上記にてクラウドサービスを利用していると回答した方に、IaaS / HaaS、SaaS など、どのクラウドサービスを利用しているのかを聞きました。
情報系業務のクラウドサービス利用者のうち 8〜9割は「SaaS」利用。「IaaS / HaaS」は企業規模により異なりますが、概ね大企業ほど利用している傾向がありました。
一方、基幹系業務のクラウドサービス利用者も、情報系と同様、SaaS 利用者が多く見られました。しかし、「その他」を見ると「基幹業務では使用していない」という回答が多く、基幹系業務のクラウド化の方が進みにくい実情を表していました。

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図2 情報系業務で利用しているクラウドサービス(複数回答)
※クラウドサービス(PaaS 除く) を「利用している」と回答した者のみ

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図3 基幹系業務で利用しているクラウドサービス(複数回答)
※クラウドサービス(PaaS 除く) を「利用している」と回答した者のみ

PaaS「利用していない」は5割〜7割

クラウド利用の中でも、PaaS(Platform as a Service) の利用は、最も多い1,000 〜4,999 名企業でも27.0%。すべての企業規模において「利用していない」は約5割以上となりました。PaaS はいまなお敷居が高いという実情があることが分かりました。

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図4 PaaS(クラウドプラットフォーム)の利用状況

最も利用されている PaaS は「AWS」、次いで「Azure」

上記設問にて PaaS を利用していると回答した方に、どのサービスを利用しているのか聞きました。
その結果、情報系業務、基幹系業務ともに最も利用されているのが「AWS」、次に「Azure」、「Google Cloud」という結果となりました。なお、「その他」を見ると、「基幹系では未使用」のほか、IDCF Cloud、NTTコミュニケーションズ社の PaaS、さくらインターネットの PaaS、KCPS(KDDI)、OBIC、Salesforce Platform、GMO Cloud などが挙げられました。

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図5 情報系業務で利用しているクラウドサービス(複数回答)
※ PaaS を「利用している」と回答した者のみ

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図6 基幹系業務で利用しているクラウドサービス(複数回答)
※ PaaS を「利用している」と回答した者のみ

利用中のクラウドは、「メール」「社内情報共有・ポータル導入」がトップ2

現在、利用しているクラウドサービスは、「メール」、「社内情報共有・ポータル」の2つが最も多い結果となりました。中小・中堅規模では、その次に「ファイルサーバ」、「社内承認管理ワークフロー」、「人事・給与」が多く、大規模では「eラーニング」が多く、規模によって必要とされるサービスは異なる結果となりました。

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図7 現在利用しているクラウドサービス(複数回答)

今後利用したいクラウドは、「IT 資産管理」、「ワークフロー」、「SFA/CRM」

今後利用を検討したいクラウドサービスでは、「ファイルサーバー・ストレージ」「社内情報共有・ポータル」が 多い傾向がありました。上記の設問(現在利用しているクラウドサービス)との差を見ると、「IT 資産管理」、「ワークフロー」、「SFA/CRM」が伸びており、注目を集めている分野ということが分かります。

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図8 今後利用を検討しているクラウドサービス(複数回答)

クラウドサービスに求めるものは、コスト・品質・セキュリティ

クラウドサービス選定時に企業が求めるものとしては「コスト」、「セキュリティ対策」、「品質・パフォーマンス」が多い傾向にありました。クラウドに対して、コスト削減効果や生産性向上が求められることが分かります。また、セキュリティへの不安が未だに根強く残っていることもこの 結果からは分かりました。

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図9 クラウドサービスを選定する際に、求めるもの(複数回答)

システム導入・移行はまだ、クラウド・バイ・デフォルトではない

今後のシステム導入・移行を考えた時に、「クラウド移行を最優先」と考えたのは5,000名以上の企業が最も多く約3 割。しかし、ほとんどの規模の企業では6 割以上が「都度判断」を選択する結果となりました。クラウド移行は消極的ではないものの、決して優先するわけではない企業が多いことが分かりました。
2018 年には、政府情報システムは「クラウド・バイ・デフォルト」の考え方をもとに、クラウドサービス採用をデフォルト(第一候補)とすることになりましたが、この考え方が今後、官公庁以外にはどのように広がっていくのか注目が必要でしょう。

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図10 今後のシステム導入・移行時のクラウド活用方針

5割以上の企業では、情シスがクラウド導入を仲介

情シスを介さないクラウド導入は、全体的に「ない」が5〜7割。「ある」は、業務部門、営業、人事・総務がそれぞれ分散される結果になりました。社内にサーバなどを設置せず、サポートも不要なことが多いクラウドですが、多くの場合には情シスを介していることが分かる結果となりました。

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図11 情報システム部門を介さないクラウドサービス採用・導入の有無。また、それを行う主な部門(複数回答)

Windows Server 2008 サポート終了間近、多くの企業が移行中

2020年1月14日にサポート終了を迎えるWindows Server 2008 / R2 について、その移行状況を聞きました。その多くは、「移行中/ 移行計画中」と回答しているものの、未だに「情報収集中」「管理・把握できていない」企業も多いことが分かりました。しかし、Microsoft では、Azure に移行することでWindows Server 2008 / R2 のサポートを延期するプログラムを用意していることから、このプログラムを利用し Azure に切り替える企業もあると予測されます。

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図12 Windows Server 2008 のサポート終了に伴う移行状況

まとめ

クラウド(PaaS 以外)利用企業は100名以上の企業では約7割。その8〜9 割が SaaS(情報系業務)。用途はメール、社内情報共有・ポータルが主流。今後のシステム導入・移行でクラウドを優先するかどうかは、「都度判断」が主流。

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