当社が実施した 2023年度の調査 で、情シスが今後注力したい業務の1位に「コア業務への転換、専念」が挙げられました。システム運用、IT資産管理、セキュリティインシデントへの対応など、情シス部門の業務が日々増え続けている中、コア業務に専念するためには、さらなるノンコア業務の効率化が求められます。
そこで有用なのが、ノーコードでビジネスアプリが開発できるサイボウズの「kintone(キントーン)」です。
今回は、kintone を活用して情シス業務を効率化するアイデアと、活用事例を解説。併せて、情シスの皆さんが困った時に頼れる、サポートサービスもご紹介します!
kintone は、どんな情シス業務を改善できる?
まずは、kintone でどのような情シス業務が改善できるのかを見ていきましょう。
①プロジェクト管理
情シスは社内システムのリプレイスなど、多くのプロジェクトを抱えています。リソースや期限、テストや構築などのスケジュールとタスク管理に専用ツールを活用している企業もありますが、その多くは Excel やスプレッドシートでの管理なのが実情です。
kintone であれば、外部ベンダーも含めた複数人が同時に触れてリアルタイムに状況を可視化、やり取り時のコメントも残せるダッシュボード機能を持ったプロジェクト管理アプリが、簡単に作成できます。
プロジェクト管理を kintone でアプリ化することで、過去の履歴をナレッジ化することにもつながります。
②ヘルプデスク業務・FAQ
システム設定依頼や故障対応、アカウント追加削除をはじめ、社員や他部門からの日々の問い合わせに対応するITヘルプデスクも、負荷の高い業務です。中には、ヘルプデスク業務が情シス業務全体の50%以上を占める企業も存在します。
kintone なら、受け付けた相談の「対応済」「未対応」などのステイタスが一目で分かり、依頼内容に紐づけたコミュニケーションも可能。さらには、よくある質問をFAQとしてまとめて公開する、問い合わせ対応アプリを作成することができます。
対応漏れや遅れなどに気付きやすくなることで、情シスに対する満足度向上にも貢献するでしょう。
③申請管理
kintone は、社員からのシステム利用申請や、機器の持ち出し申請などの管理にも使えます。
利用申請アプリを作成し、全社的に活用することで、手間のかかる書面やメールでのやり取り、承認申請から許可までのフローがすべてデジタルで完結。
「申請中」「承認待ち」「利用中」などのステイタスも一目で分かることで、対応漏れや遅れが防げ、利用する社員にとっても管理する情シスにとっても、win-winな業務改善が実現します。
④IT資産管理
PCやスマートデバイスなど管理する端末が増え、「コストがかかる専用の資産管理ツールを活用するにはためらいもあるが、しっかり管理しないと・・・」とお悩みの中堅・中小企業には、手軽に資産管理アプリが作成できる kintone がオススメです。
PC、スマートフォンなどの端末のシリアル番号や利用者情報のみならず、ソフトウェアのライセンスやバージョン管理など、管理対象は日々、増え続けています。中でもセキュリティソフトの有効期限などはしっかり管理しなければ、インシデントにもつながりかねません。
個別で管理されている各種IT資産関連の情報を集約するアプリを作成することで、管理工数を削減しながら、ガバナンスも強化できます。
⑤インシデント管理
最後は、インシデント管理です。ウイルス感染や不正アクセスなどが確認された際、インシデントのレベルや発生部署、対応担当者などのリアルタイムな情報把握および共有がポイントです。
対応状況を集約するアプリをkintoneで作成することで、個別の口頭やチャットでのやり取りが多発することによる混乱や、対応の遅れを防ぐことができるだけでなく、今回の教訓を次回以降に活かすことも可能になります。
情シスなら知っておきたい!業務改善に使える kintone の機能とは?
ご存じの通り kintone には豊富な機能があります。ここではよく使われる、業務改善に役立つ代表的な機能を5つ、ご紹介します。
①アプリ作成機能
まずは kintone の最大の特長である、自社の業務や管理体制に合わせたオリジナルの業務アプリをノーコードで作成することができる機能です。
メールやチャットなどで個別でのやり取り、Excel などの個別のファイルで行っていた管理がアプリによって集約・一覧化される効果は、非常に大きなものがあります。
また、kintone によるアプリ化は、情シス部内の業務効率化だけでなく、社内各部署への告知・共有にも活用しやすくなることで、全社的な業務改善・効率化にもつながります。
②プロセス管理機能
kintone のプロセス管理の特長は、複数ユーザーで進行業務が管理できることです。
情シスの業務においては、クラウドなど各種ITサービスの利用申請、セキュリティインシデント発生時の対応など、部門をまたいでプロセスごとに一覧で管理でき、非常に便利です。担当者設定で「質問者:ユーザー」「回答者:情シス」としておけば、対応状況が見える化でき、漏れや遅れなども防げます。
③リマインダー通知機能
kintone は、あらかじめ設定した日時や条件を満たした時に kintone 上でリマインドを通知する、リマインドメールを送るといったことが可能です。また、送付対象は個人だけでなく、部門ごとも設定できます。
ソフトウェアのライセンスや機器の保守契約など、更新期限の前にリマインドを設定しておけば、直前になって慌てたり、期限切れを見逃すといったこともなくなります。
④検索・絞り込み機能
kintone で作成したアプリは、キーワードを入力するだけで関連する情報を簡単に見つける検索機能があります。一覧から特定の人や日付、ソフトウェア、ハードウェアなどで絞り込みを行うことで、業務効率が大きく向上します。
さらに、検索と絞り込みはファイルの拡張子にも対応しているため、社内に散在するドキュメント類の台帳管理としても活用できます。
⑤メンション機能
最後は、特定のユーザーまたは組織に対してメッセージを送ることができるメンション機能です。チャットツールの普及と共におなじみとなったメンション機能ですが、従来のメールと比べてリマインドがしやすく、応答スピードも向上。
各部門に対してOSやソフトウェアの更新依頼をかけたりすることが多い情シス部門にとって、このメンション機能は非常に有効です。
どうやって作る?~kintone サンプルアプリを活用しよう
kintone は、プログラミングやコーディングなどの専門スキルがなくても業務アプリを簡単に作成できる、ノーコードツールです。100種類以上の「サンプルアプリ」が提供されており、必要な項目を追加、デザインを変更するなど自由にカスタマイズして、自社の業務に最適なアプリを作成することができます。
サンプルアプリは部署別で見ると、
営業・セールス / 顧客サービス・サポート業務 / 総務・人事 / 調達・購買 / 情報システム / 開発・品質保証 / 広報・マーケティング / 法務・知財 / 部門共通 / その他
と、幅広く提供されています。
①障害対応管理
出典:https://kintone-sol.cybozu.co.jp/apps/091-incident.html
障害対応管理
は、障害・問い合わせの発生~対応完了まで、障害の詳細内容・進捗状況などを共有するアプリです。関係者間での連絡や相談もコメント欄で行うことができ、情報の一元化に役立ちます。
開発者向けコミュニティ「cybozu.com developer network」で公開されるJavaScriptサンプルコードを読み込めば、ステイタス変更と同時に作業完了時刻や担当者を自動更新するといったカスマイズも可能です。
具体的には、JavaScriptカスタマイズでステイタスを完了にすると、作業完了日時・担当者が自動更新され、対応に要した時間も計算されます。
②作業依頼申請
出典:https://kintone-sol.cybozu.co.jp/apps/sgyouiraishinsei.html
作業依頼申請
は、その名の通り作業依頼時の申請業務を集約したアプリです。
作業依頼に紐づく申請・承認・作業状況を一覧で管理できることで作業のヌケモレが防げるほか、依頼に紐づいたコメント機能があり、情報の分散も防止できます。
この他にも、情シス向けに「懸案管理」「議事録管理」「kintoneアプリ管理」「毀損・紛失物管理」などが提供されています。他部門向けとなっているものも、もちろん情シス業務に活用できるものばかりなので、チェックしてみてください。
kintone 活用時の注意点と、困った時の相談先は?
このように、kintone はサンプルアプリから欲しい機能を自由に組み合わせて手軽に業務アプリが作成でき、情シス部門のみならず業務効率化に大きく貢献するツールです。
kintone はホームページにオンラインマニュアルなどの導入資料や動画、よくある問い合わせなどがあり、サポートも充実していますが、アプリ開発に付き添ったり、代わりに作成してくれるといったサポートは、残念ながらありません。
また、アプリ作成時に、kintone の標準機能では実装できないことを実現するためには、プラグインと呼ばれる追加プログラムを使うことがよくあります。その操作や作成において分からないことがあった場合、プラグインを提供する各社に個別に問い合わせしなければなりません。
こうしたkintoneの活用における日々のお困りごとにお応えするのが、ソフクリ kintone コンシェルジュのQAサポートです。
ソフクリ kintone コンシェルジュのQAサポート
ソフトクリエイトは、 サイボウズ社認定のコンサルティングパートナー として、サイボウズ製品の導入・開発から保守・教育まで一貫したサービスを提供しています。
ソフクリ kintone コンシェルジュのQAサポートは、kintone に関する相談窓口。アプリ作成時のお困りごとから利活用の方法まで、kintone の資格を持った専門家がしっかりサポート。業務に合わせてアプリの作成・編集ができる kintone のメリットに寄り添う、安心な月額制の定額サービスです。
気になる提供価格は、
●月に2時間以内で月額2万円の「QA Light」
●年間30時間まで、月額2.5万円の「QA Standard」
から選ぶことが可能です。
ソフクリ kintone コンシェルジュのQAサポートは、「kintone アプリデザインスペシャリスト」や「kintone アソシエイト」と呼ばれる有資格者が担当します。
また、アプリ開発だけでなく、プラグインの選定や JavaScript によるカスタマイズ、SaaS 製品との連携開発などもお任せください。
実際にQAサポートに寄せられたお問い合わせでは、
- kintone 上で、Excel のような表を作成したい
- 別々のアプリからの情報を1つのアプリで参照したい
- アプリ数が上限の1000個を超えそう、対策したい(kintone 登録内容のバックアップをとりたい)
- データをコピーし、元データを更新したらコピー先のデータも自動で更新されるようにしたい
- 現在運用しているアプリのフォームを自由入力からドロップダウンに変更したい
- アプリに新たにレコードを追加する場合の上書き、追加の違いを知りたい
- アプリそのものの削除の仕方を知りたい
- アプリのフォームのみのコピーの仕方を知りたい(空のアプリを作成したい)
- アプリから別のアプリへ、サブテーブルの数値やフィールドの数値をコピーしたい。また、コピーした値をコピー先のアプリで集計したい
といった作成方法に関することから、
- CSVファイルからデータを読み込むとエラーが表示されて完了しない
といったエラーに関する質問、さらに
- krewData を利用し、複数レコードを1レコードへ集約したい
- krewSheet 上でもルックアップが機能するか
- krewSheet 上で ATTAZoo の「ルックアップ+」が機能するか
- krewsheet を用いて、現行と同じ仕様のアプリを作りたい
といったプラグインに関する質問まで、多岐に渡り、しっかり問題解決まで丁寧にサポートします。
また、kintoneを他ベンダー経由でご契約のお客様もQAサポート単体で利用可能ですので、まずはお問い合わせください。
QAサポートのメール対応例)
まとめ
いかがでしょうか。今回はkintoneを活用した情シス業務効率化について、支援サービスと共に解説しました。社内ITシステムの高度化・複雑化と、DX推進、働き方改革など、経営からの情シスへの期待はさらに高まっています。
ぜひこの機会に、kintoneを活用した業務改革に取り組みましょう。
ソフクリ kintone コンシェルジュには、今回ご紹介した「助ける」QAサービス以外に、アプリを「作る」、活用を「導く」サービスもあります。
- 自社で開発したいけど専任の担当者がいない
- kintone を使っているが、わからないことを聞く相手がいない
- kintone をまず始めてみたいけど時間がない
- kintone を使って作りたいアプリは決まっているけど、作り方がわからない
とお悩みの方は、まずはソフトクリエイトまでお気軽にご相談ください。
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