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生成AIツールを社内で導入開始する時に考えたい6つのポイント

情報システム部門
AI

DX推進をはじめ、日常業務の効率化に生成AIを活用しようとしている企業が増えています。すでに様々な生成AIツールが登場していますが、企業は選定・導入の際にどのようなことを考えればよいのでしょうか。今回は生成AIツール導入に向け考えたい6つのポイントをご紹介します。社内で生成AI活用を検討している情シス、生成AIツール選定に悩んでいる情シスにおすすめの内容です。

この記事の内容
生成AIを簡単・安全に導入したいが、懸念点もある
生成AI利用における、セキュリティと運用・活用面での課題を整理する
生成AIを選定する上での6つのポイント
おわりに

生成AIを簡単・安全に導入したいが、懸念点もある

ChatGPTを代表とする生成AIツールが登場し、ビジネスの現場にも影響を与えようとしています。アンケート結果によると、実際に「既に活用している」企業は13.6%、「活用に向けたプロジェクトが進んでいる」は10.8%と、2割以上が生成AIを活用しようとしていることがわかります。
情報システムの現状とIT システム活用実態アンケート2024

しかし、生成AIをこれから導入し活用しようと考えている企業にとっては、生成AIツールには不安や懸念点もあるのではないでしょうか。「生成AI/ChatGPT を業務で利用する上で、情シスとして懸念する点」についてアンケート結果を見ると、上位には「事故」「セキュリティや情報漏えい」といった問題が発生するといった点が他よりも多い結果となっています。

生成AI関連セミナー情報 ▲ 生成AI/ChatGPT を業務で利用する上で、情シスとして懸念する点
(「 情報システムの現状とIT システム活用実態アンケート2024 」より)

総務省『情報通信白書(令和5年版)』では生成AIを巡る動向について触れていますが、その中で「各国において生成AIを巡る動きが活発化する一方で、要機密情報の取扱いや、個人情報保護、回答の正確性などの課題が指摘されている」と述べられていて、両手を挙げて歓迎するだけではないことを示しています。

生成AI利用における、セキュリティと運用・活用面での課題を整理する

こうした実情を踏まえて、これから企業が生成AIツールを安全かつ効果的に活用していくためのポイントを整理してみましょう。まずは、生成AIツールに対する課題からみていきましょう。大きく2つの課題に分けました。

【セキュリティに関する課題】
①情報漏えいに対する不安
生成AIツールがそのオープンさゆえに、機密情報や個人情報を生成AIが学習することで、情報漏えいにつながってしまわないか心配である。
②不正アクセスやなりすまし対策
不正アクセスされることで、外部やなりすましによる利用が行われないか。
【運用面・活用面での課題】
①運用の課題
すばやく導入・活用したいが、扱ったことがない、AIに関するリテラシーがある担当者がいないので、自社内で一から運用するのはどうすればよいのか課題が多い。どのような設定が必要か、運用面では何をどのように設定しメンテナンスすればよいのかわからずに自信がない。また、導入準備にもあまり時間をかけられない。
②活用への不安
社内利用に対してどのように進められるのかわからない。社内から質問があったとしても、回答に苦慮してしまう。例えば、「プロンプトの効果的な書き方」などを質問されたとしても困ってしまう。
③利用状況
社内でどのように用いられているのか利用状況を確認したい。トラブルにつがるような使い方がされていないか、万が一に備えて会話履歴を保存しておきたい。

生成AIツールにはこのような課題があり、これから選定する場合にはこれらの課題を解決できるものを考えていく必要があります。

生成AIを選定する上での6つのポイント

上記で取り上げたセキュリティと運用・活用に関する課題を解決する生成AIツールを選ぶ際のポイントを考えてみましょう。

ポイント1:情報漏えい対策に配慮されていること
セキュリティ対策に不安が多いという声がありましたが、情報漏えい対策に配慮された製品であることは重要なポイントです。例えば、チャットした内容が生成AIの学習データになり、一般的に用いられないことが重要です。
ポイント2:利用状況を可視化できること
ユーザの利用状況が確認できる、会話ログが取得できるといった、管理者向けの機能が用意されていることが必要です。ビジネス向けの生成AIツールとして、セキュリティ対策と運用の両面で重要な機能と言えます。
ポイント3:認証機能を用意していること
社内の利用が認められたユーザ本人が使えるような認証機能を搭載していることは、セキュリティ面でも重要です。中には Microsoft Entra IDと連携できる生成AIツールもありますので、自社に適した認証機能を持つツールを探すことがおすすめです。
ポイント4:すぐに使い始められること
生成AIツールを使い始める際に難しい設定や開発などが不要な点は重要です。もちろん、セキュリティ対策や管理面についても設定しやすいことやサポートがあるとなお便利でしょう。
ポイント5:プロンプトの使い方支援があること
生成AIツールの利用ではプロンプトの使い方により、得られる結果が変わってきます。社内でも平準化するために、様々な業務支援のテンプレートが用意されていることや、求める結果が得られやすいプロンプトを共有できることは重要です。

>関連コラム
生成 AI - プロンプトの書き方に悩んでしまう…初心者が上手く付き合う方法

ポイント6:自社データを活用できること
自社に蓄積された様々なデータを、情報漏えいの心配ない安全な環境の生成AIツールに登録できること。この機能があれば、生成AIに自社情報を学習させることで、自社専用のチャットボットを作成することができます。

おわりに

今回は、生成AIツールを活用したい企業に向け、その選定に関する主要な6つのポイントを整理しました。ここで挙げたのは基本的な項目ですので、もちろん、自社のビジネスに必要とされる機能は異なることでしょう。しかし、こうしたポイントを挙げていくことで、各種登場している生成AIツールを正しく選ぶことができるようになるのではないでしょうか。

情シスレスキュー隊では、今後も生成AIツール選定や活用に役立つ情報を提供していきますので、ぜひご期待ください。

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