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知って備えるEOS/EOL(2):EOS、EOL期日を過ぎた企業に生じたトラブルとは

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製品・サービスにはライフサイクルがあり、製造や販売終了日、サポート終了日が存在します。今回は、自社で導入している製品・サービスのサポート終了日などを把握していない企業に生じたトラブルをケーススタディ形式で紹介します。

この記事の内容
EOS、EOLの期日を過ぎるとどうなるのか?
【失敗事例:A社の場合】サポート期間切れでトラブルに…
【成功事例:B社の場合】ライフサイクルに合わせたシステムの更新で安定稼働を実現
まとめ

EOS、EOLの期日を過ぎるとどうなるのか?

情シスにとって日々の運用業務は重要ですが、新しいサービス選定、システム入れ替えの検討など、今後の社内システムを考えることもまた重要な業務です。ITを通じてより効率よく社員が働くための環境づくりを担っているといえますが、既存システムの保守期限(End of Support:EoS、End of Life:EOL)を正確に把握しておく必要があります。さもなければ、システムに問題が発生するだけではなく、会社全体のビジネスにも大きな影響を及ぼすことになります。

まず、製品の販売・製造終了(End of Sale)が到来することによる影響を挙げてみましょう。
・対象製品・サービスの販売が終了し調達しにくくなる。そのため、対象のハードウェア、ソフトウェア、ライセンスの拡張が困難になる。
・対象製品・サービス購買のために費用や手間がより多く発生する。

次に、保守期限(EOL、EOS)を超過すると次のようなことになると考えられます。
・障害対応やサポートが受けられなくなる。その結果、障害発生時の対応が遅くなる、予想外の費用が発生する。
・機能や、脆弱性対応等のセキュリティのアップデートが受けられなくなる。その結果、セキュリティ上のリスクを抱えた状態になる。

このように、製品販売・製造・保守期限が過ぎてしまうと、製品やサービスの運用に様々な影響が発生します。どのようなトラブルが発生するのか、どのような対応をすべきなのか、ケーススタディで確認してみましょう。

【失敗事例:A社の場合】サポート期間切れでトラブルに…

中堅企業のA社では、複数拠点にまたがり社内ネットワークを構成していましたが、徐々にネットワークが複雑化。管理しきれない部分があると感じていました。そのような中、ネットワークの接続に問題があるとユーザーから指摘がありました。即刻調査したところ、あるルータに原因があることがわかりました。

しかし、そのルータはすでに製造が行われていないばかりか、保守期限も切れていました。普段ならば、導入したベンダーにサポート依頼をすればすぐに解決できる内容ですが、すでに保守期限が切れていたため、情シス独自で対応するか、費用をかけてトラブル対応を依頼するかいずれかを選ぶことになりました。

結果的に大きな問題に至らなかったものの、ネットワーク製品だっただけに、脆弱性を突かれて不正アクセスの被害に遭う可能性もありました。不正アクセスによる情報流出や改ざんがあった場合は、自社のビジネスにも甚大な被害を引き起こすことになります。

もしルータなどのネットワーク機器、サーバ、OSやアプリケーションなどの機能やセキュリティのアップデートが行われなくなると、自社のシステムに脆弱性が発生することとなり、外部からの不正アクセスのリスクが大幅に高まることになるでしょう。万が一、不正アクセスにより個人情報や機密情報の漏洩が発生してしまうと、関係者や取引先へのお詫び・補償をしなければならず、その損害は計り知れないものとなります。最悪の場合、事業を続けることができなくなる可能性すらあるでしょう。

このような検討を経て、A社の情シスは製品のライフサイクル、EOSやEOLの大切さを痛感し、今後の対応を考えることになりました。

【成功事例:B社の場合】ライフサイクルに合わせたシステムの更新で安定稼働を実現

B社ではかつて、ブレードサーバの製造終了のタイミングを見逃してしまったため、ブレードの拡張ができなかったという経験がありました。それ以降、B社では社内システムに用いられる製品やサービスの製造終了期日、保守・サポート期日を見直し、追加購入やリプレースのタイミングを事前に設けることにしました。そのためにも、社内のITインフラやOS、アプリケーションの定期的な棚卸しをして一覧化することにしました。

EOSやEOLの情報はベンダーから提供されているので、社内のハードウェア、アプリケーションの一覧にEOS・EOLと、それに伴うリプレースなどの検討開始時期も追記することで、計画的な運用が可能となりました。

また、一覧化することで各製品のEOS・EOL時期が把握できるので、EOS・EOLが近づいている製品群をまとめて検討できるようになりました。今後のIT戦略を立案・提案する際にも効果的に活用できるようになったということです。

まとめ

本日の記事では、製品やサービスのライフサイクルを把握せず、EOSやEOLに合わせたリプレース等の対応をしなかった場合に起きる影響についてお伝えしました。このように、製品やサービスのライフサイクルを把握せず、EOSやEOLの対応をしなかった場合は情シスの仕事だけではなく、会社全体にも悪影響を及ぼしてしまいます。

こういった事態を避けるためにも、まずは自社のシステムに導入している製品・サービスを把握し、ベンダーからライフサイクルに関する情報を取得することが必要でしょう。
ITインフラの把握やリストアップが自社のみでは困難な場合には、社内の ITインフラ環境を調査・整理する「 インフラ環境調査サービス 」を利用してはいかがでしょうか。そしてITインフラやIT資産をリスト化したら下記のEOS(End of Support)一覧などを活用し、自社導入製品のEOS・EOL情報を整理してみてはいかがでしょうか。

次の記事 >>知って備えるEOS/EOL(3):EOSやEOLに合わせて効果的なリプレースを行おう

主要IT製品・ライフサイクルのリンク集
企業向けの主要IT製品・サービスのライフサイクルをまとめたリンク集を作成しています。自社導入製品のライフサイクル把握、リプレース検討等にお役立てください。
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