SCCloud 365 Enterprise 導入事例

株式会社S-FIT 様

基幹システムのクラウド化を機に、認証基盤を統合
データ利活用の加速に向けたゼロトラストモデルの実現を目指す

株式会社S-FIT 様

賃貸仲介ブランド「お部屋探しCAFEヘヤギメ!」の運営をはじめ、デジタル活用による先進的な不動産ビジネスを展開する株式会社S-FIT。同社は基幹システムのクラウド化を契機として、データ利活用推進に欠かせない認証基盤の統合および、ゼロトラストモデルでのガバナンス強化を決断。「SCCloud 365 Enterprise」を活用し、オンプレミス Active Directory 環境と Microsoft Entra ID との統合や Defender for Endpoint の実装をわずか半年で実現するなど、着実な成果をあげている。本記事では、不動産DXの進化を追求する同社が、ソフトクリエイトと共に推進中のプロジェクトのポイントを紐解く。

課題

✔︎ 基幹システム刷新に向け、複雑化した認証基盤の統合が不可欠に
✔︎ 多様な働き方やデバイス管理の観点で、VPN接続を前提としたレガシーな運用を見直したい
✔︎ ゼロトラストモデルへの移行と情シス部門のリソースシフトを両立したい

成果

 既存AD運用を維持しつつ、最新のクラウド管理を可能にするMicrosoft Entra ハイブリッド構成を選択
 Microsoft Intune によるデバイス制御と Microsoft Entra ID を利用し、シャドーITを物理的に遮断するガバナンス強化を実現
 24時間365日のSOCサービスによる、インシデントの早期検知と初動対応の迅速化

社 名
株式会社S-FIT
所在地
東京都港区六本木1-6-1泉ガーデンタワー29F
創 立
2003年
職員数
424人(2025年6月末:パートアルバイト含む)
ホームページ
https://www.sfit.co.jp/

「お部屋探しCAFEヘヤギメ!」の運営をメインとする賃貸仲介事業(個人向け/法人向け)・プロパティマネジメント事業・不動産開発事業を展開。「NEXT PROPERTY」をビジョンに掲げ、テクノロジーを駆使することで新たなサービスを創造し、不動産テック企業として不動産市場の課題解決を目指します。

  • 小泉 清氏

    DX戦略統括部
    部長

    小泉 清

  • 赤塚 昇氏

    DX戦略統括部
    グループ長

    赤塚 昇

  • 鈴木 幸雄氏

    DX戦略統括部
    シニアマネージャー

    鈴木 幸雄

背景・課題

事業とインフラを一体化させ、
DX戦略に必要な基盤整備を始動

赤塚 昇氏

株式会社S-FITは、賃貸仲介店舗「お部屋探しCAFEヘヤギメ!」の運営を主軸に、不動産開発、賃貸管理(PM)、リノベーションなど、不動産関連サービスを総合的に手掛ける不動産テック企業。ビジネス変革のためのデジタル基盤改革に挑む同社の取り組みを、DX戦略統括部 グループ長の赤塚昇氏は次のように語る。

「これまで社内インフラを担う情報システム部門は総務部内にあり、顧客向けサービスを企画するDX推進部門とは別の組織でした。しかし、ビジネスのデジタル化を加速させる上でインフラ基盤が足かせとなる状態では、真のDXは実現できません。そこで戦略からインフラ整備まで一気通貫で進められるよう、DX戦略統括として部門統合しました。これにより、各プロジェクトで経営判断に基づく迅速な意思決定が可能になりました。」

この新体制のもとで推進中なのが、2026年夏に稼働予定の新基幹システム構築だ。AWS環境で開発が進むこの新システムにおいてSAMLによるセキュアな認証連携を実現するには、複雑化した足元のインフラ環境を整理する必要があったと、小泉氏は話す。

「新基幹システムの目的は、各システムに散在している事業データを集約し、ビジネスに貢献できる資産へと昇華させることです。しかし、業務でのシステムやSaaS利用が増えるにつれて、ユーザー管理の煩雑さは増大する一方でした。加えて、従来のインフラは拡張性に乏しいレガシーな状態で、Microsoft 365 のテナントも複数に分かれているなど、運用管理が複雑化していました。新システムとのスムーズな連携を担保し、データ活用に注力できる環境を構築するためにも、まずは認証基盤の統合が急務でした。」

小泉 清氏

同社が認証統合の先に見据えたのが、全社的なセキュリティレベルの向上だ。赤塚氏は、同社が目指す方向性を、次のように語る。

「会社の中さえ守れば良いという従来の境界型防御では、多様化する働き方や巧妙化する外部脅威に対応しきれません。場所を選ばず、セキュアで柔軟な働き方を実現するには、ゼロトラストモデルの構築が、必須の要件でした。」

小泉氏は、この戦略を実務レベルで具現化するための決断を振り返る。

「場所を問わない働き方を前提とする以上、『誰が、どのデバイスからアクセスしているか』を可視化し、制御できなければなりません。しかしこれまでは、把握しきれないシャドーITの存在がセキュリティ上の大きなリスクでした。顧客の信頼を維持するためには、情報の取り扱いを厳格化し、エンドポイントからアクセス制御までを包括的に管理できる基盤が不可欠です。そこで当社は、Microsoft のソリューションで統一する決断を下しました。具体的には、Microsoft 365 E3 をベースに、Microsoft Entra ID による認証と Microsoft Intune によるデバイス管理と、高度な検知・対応機能を備えた Microsoft Defender for Endpoint Plan 2 の組み合わせです。この構成で、エンドポイントからアクセス制御までを包括的に管理できる基盤の実現を目指しました。」

検討・選定

「導入して終わり」ではない、
実戦的な知見に基づく伴走力を評価

同社は、Microsoft 365 E3 の導入にあたり、その実行手段としてソフトクリエイトのSCCloud 365 Enterpriseを採用した。小泉氏は、サービス選定の理由を、次のように語る。

「単なるライセンスの調達だけではなく、SOCやEDRの監視までをパッケージ化したSCCloud 365 Enterpriseは、当社が求める手離れのよいインフラを実現するための最適解でした。運用負荷をプロフェッショナルに任せることで、我々はデータ活用やビジネスへの貢献にリソースを集中できる。このマネージドサービスを活用することが、当社のDX推進に最適と考えました。」

鈴木 幸雄氏

DX戦略統括部 シニアマネージャー 鈴木 幸雄 氏は、提供元であるソフトクリエイトのパートナーとしての期待も、選定の大きな理由だと語る。

「多くのベンダーが『構築したら終わり』というスタンスに見えた中、ソフトクリエイトは構築後の運用も伴走してくれる点で、高い期待が持てました。さらに、ユーザー企業同士が活用ノウハウを共有し合えるコミュニティ『ソフクリ365倶楽部』の存在は大きかったです。高度なセキュリティ基盤は構築して完了ではなく、そこからがスタート。今後何年も続く運用において、同じ立場の他社の担当者とナレッジを共有できる場があることは、他社にはない魅力でした。」

また、同社が抱えていた技術的な課題の解決において、小泉氏はソフトクリエイトの実務能力を高く評価したと、次のように話す。

「利便性や拡張性を優先してシステムを継ぎ足してきた結果、インフラの全体像が極めて複雑化していました。具体的には、Microsoft 365 のテナントがPower Apps 利用環境とAzure IaaS 利用環境で2つ存在し、さらに認証基盤である Active Directory もAzure 上の仮想サーバーにリフトしたものの、実態としてはオンプレミスのまま運用している状態でした。このようにID管理が分散し、さらにVPN接続に依存するレガシーな運用が残る中、自社だけで最適なライセンスを選び、業務を止めずに統合を進めることは難しい。その点、ソフトクリエイトは Microsoft 365 E5 の活用と構築のノウハウが豊富で、その経験値から新基幹システム稼働から逆算した、現実的なフェーズ分けを提示してくれました。」

SCCloud 365 Enterpriseとは

Microsoft 365 E3 のポテンシャルを最大限に引き出し、情報システム部門の負荷を抑えながらゼロトラストモデルを具現化するためのマネージドサービスです。単なるライセンスの調達に留まらず、構築から 24 時間 365 日の監視、さらには運用ノウハウの共有までをパッケージ化して提供します。

主な提供機能
  •  ・ Microsoft Entra ID による認証統合と条件付きアクセス制御
  •  ・ Microsoft Intune によるデバイス構成管理
  •  ・ Security FREE for Microsoft 365 による 24/365 の SOC 監視
  •  ・ SCCloud SaaS Backup によるMicrosoft 365 のデータ保全
  •  ・ ソフクリ365倶楽部を通じた活用ノウハウとコミュニティの提供

https://www.sccloud.jp/sccloud365

導入プロセス

新基幹システム稼働を見据えた
Microsoft Entra ハイブリッド構成への道

プロジェクトは2025年9月に始動。同社は以前のプロジェクトにおいて、オンプレミスの Active Directory(以下、AD)を Microsoft Azure 上の仮想マシンへリフト済みであった。しかし、この構成はあくまで物理サーバーのクラウド化に留まっており、クラウドネイティブとしての恩恵を十分に享受できていない課題があった。小泉氏は、今回の選択を次のように語る。

「本来ならクラウドネイティブ環境へ一気に移行したかったのですが、既存のファイルサーバーなど、ADの認証を必要とする資産が数多く残っていました。ファイルサーバーは業務で活用するユーザー部門との協議が必要であり、移行を短期間で行うのは現実的ではありません。そこでソフトクリエイトと協議し、クラウド上のADと Microsoft Entra ID を同期・連携させる、Microsoft Entra ハイブリッド 構成を選択しました。」

本プロジェクトの核心は、Microsoft Entra Hybrid Join の実装にある。デバイスを従来のADとクラウドの Microsoft Entra ID の両方に同時登録することで、ファイルサーバーへのアクセス権を維持したまま、Microsoft Intune による管理や多要素認証が可能となる。レガシーな資産を切り捨てるのではなく、技術によってクラウドへ「橋渡し」したのである。

「新基幹システム稼働は動かせない期限でした。ソフトクリエイトの高い技術力があったからこそ、この複雑な構成をわずか半年で形にし、スケジュール通り基盤を完成させることができました。これにより、次のステップへ進むための土台が整いました。」(小泉氏)

成果

インシデント検知の迅速化と、
戦略的業務へのリソースシフトを実現

2026年3月、フェーズ1のアセスメントを経てフェーズ2の環境構築まで完了。統合されたID基盤とSOCによる監視体制の連携により、同社のセキュリティは従来と比較して大幅に強化され、よりセキュアな業務環境が実現した。鈴木氏は、現時点での手応えを、次のように話す。

「現在は各デバイスの Intune への登録を順次進めている段階ですが、ゼロトラストモデルの核となる基盤は完成しました。Microsoft Intune で未許可デバイスをテナントから確実に遮断できることは、ガバナンス強化において大きな一歩です。IDとデバイスの状態を紐づけて可視化できるようになり、管理の境界線が明確になりました。」

今回のプロジェクトでは、Microsoft Defender for Endpoint Plan 2 と Security FREE for Microsoft 365 を組み合わせ、24時間365日のSOC監視を実装。まだ各デバイスへの展開は途上段階だが、鈴木氏は早くも、その効果を実感しているという。

「先月、実際にインシデントが1件発生しましたが、SOCからの通知が非常に迅速で驚きました。従来のように複数のセキュリティツールを個別にチェックする必要がなく、把握の容易さも格段に向上。さらに、プロによる常時監視があることで、管理者の心理的負荷は大きく下がりました。」

小泉氏も、この体制がもたらす戦略的な価値を次のように評価する。

「当社のようなリソースの少ないチームにとって、専門性の高い監視業務をアウトソースできるメリットは計り知れません。守りの運用管理業務をソフトクリエイトに任せ、我々は本来注力すべき業務のデジタル化にリソースを割くことができます。」

今後・期待

データ活用の基盤整備を完了、
AI利活用も見据えたさらなるDX推進を目指す

同社が次に見据えるのは、クラウド上の新基盤に集約するデータの戦略的活用だ。小泉氏は、今後の展望を次のように語る。

「SharePoint Onlineを活用した業務スタイルへの変革を目指したい。従来のファイルサーバーは階層構造が複雑で、必要な情報を探し出すことすら困難です。今後はクラウドに集約される構造化、非構造化データをMicrosoft 365 Copilot やAzure OpenAI Service などのAI技術を用いて、誰もが欲しい情報が瞬時に得られる仕組みを構築したい。さらに将来的には、データメンテナンスそのものの自動化まで見据えています。ソフトクリエイトと共に、こうした次世代の業務基盤を追求していきたいですね。」

こうした高度な技術実装を支えるのは、現場に寄り添うパートナーの存在。鈴木氏は、これまでの支援を振り返りつつ、ソフトクリエイトへの期待を次のように述べる。

「ソフトクリエイトにはこれからも、密な伴走支援に期待しています。ソフクリ365倶楽部のコミュニティにおけるさまざまな情報共有も非常に有益ですが、常に悩みや困りごとを相談できて、的確な提案で返してくれる存在が、とても頼りになります。」

最後に小泉氏は、ソフトクリエイトとのパートナーシップについて、次のように結んだ。

「システムは導入して終わりではなく、その後の運用と業務活用がセットでなければ意味がないと考えています。ソフトクリエイトは、我々が目指すロードマップを深く理解し、単なるツールの提供に留まらず、その運用と業務での活用を共に考えてくれる存在です。技術が高度化する中、当社の事情を汲み取った上で最適な構成を導き出してくれる支援に、今後も期待を寄せています。」

※記載内容は 2026年5月 現在のものです。
※記載された仕様は予告なく変更する場合があります。
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